3月23日、エジプトのスエズ運河でコンテナ船の座礁による「世紀の大渋滞」が起こり、全長約400メートルの大型コンテナ船が航路をふさぎ運航が中断してから、すでに1週間がたった。最新の情報によると、コンテナ船は移動のための浮上作業が始まったが、運航がスムーズに再開するまであと3日あまりかかるという。中国新聞網が伝えた。
中国商務部国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明(バイ・ミン)副所長は、「スエズ運河が長時間渋滞するのは、中国経済にとって全体としてよいこととは言えない。影響の最も主なものは中国-欧州間の産業チェーンとサプライチェーンへの打撃だ。中国の沿海地域の商品の多くがスエズ運河を通って欧州に運ばれており、そして中国が欧州から輸入する自動車などの製品もスエズ運河を通るからだ」と述べた。
また、「スエズ運河の事件が中国に与える影響で最も大きなものは、コンテナ輸送費の大幅な値上がりになるかもしれないことだ」との分析がある。光大期貨有限公司の鍾美燕(ジョン・メイイエン)エネルギー化学工業ディレクターは、「この運河の大渋滞に伴って、アジア地域のコンテナ不足問題がさらに深刻化し、さらにはコンテナ輸送価格の急上昇を招き、物流コストが跳ね上がる」と指摘した。
スエズ運河が渋滞して船舶が運航できなくなり、喜望峰を回る迂回路は遠すぎることから、鉄道輸送の人気が高まっている。報道によると、中国の一連の国際物流サービスプラットフォームはここ数日、国際定期貨物列車「中欧班列」についての引き合いが非常に多いという。中央班列の輸送コストは海上輸送より50%高いものの、航空輸送に比べれば大幅に安い。
白氏は、「中欧班列は確かに圧力を部分的に緩和し、中国の輸出入業者の選択肢を増やしている。今こそ中国は中欧班列の役割をさらに発揮させ、スエズ運河の渋滞による船舶の足止めやそのマイナスの影響を克服すべきだ」と述べた。
ドイツの大手保険会社のアリアンツの試算によると、スエズ運河の渋滞によりグローバル貿易は1週間あたり60億ドルから100億ドルの損害を被る可能性があるという。