インターネット業界関係者のキャリア発展をサポートするプラットフォーム「拉勾」は2日、「インターネット関係者賃金報告」を発表した。それによると、2021年が始まり、ネット関連の職業の平均賃金が前期(2020年第4四半期<10-12月>)に比べて7%増加し、今年のネット関係者の賃金は好調な滑り出しになったという。北京日報アプリが伝えた。
同報告によると、他の業界の関係者が「30歳問題」や「35歳問題」に不安を抱くのとは異なり、ネット業界は若い人材がどんどん流れ込んでいる中で、ベテランも年を重ねるほど歓迎される傾向があるという。
■ネット業界の賃金が好調さを維持
拉勾のデータをみると、2018年以来、ネット業界の平均年収は安定して増加し、20年は19年に比べて8.1%増加し、21年初めの賃金も前年同期比7%増加した。18年に比べ、過去4年間の賃金上昇幅は22%に達した。
全体的なトレンドとしては、ネット業界の好調さを維持しているものの、特殊な時期にはマイナス影響も被った。同報告によれば、新型コロナウイルス感染症の影響により、20年は過去4年間で唯一、年の初めに賃金が低下した年になった。しかし感染症のマイナス影響が弱まり、ネット業界が感染症の中で高いリスク対抗力を絶えず示すようになるにつれ、21年のスタート後は平均賃金が回復上昇して、前年第1四半期(1-3月)の水準に達した。
拉勾データ研究センターの責任者は、「供給サイドからみると、春節(旧正月、今年2月12日)後は求職のピーク期だ。というのも、ホワイトカラーがすでに年末ボーナスをもらい、新しい年の新キャリア計画を練る時期だからだ。この時期に転職しようとする人は勤続年数が長い中、高度人材が多い。需要サイドからみると、春節後は大企業が『ベテラン社員』の大規模流動に直面する時期で、雇用ニーズが高まり、人材の質に対する要求も高くなる。こうした大きな背景の中で、企業はより手厚い賃金・待遇で優秀な人材を誘致する必要がある」と述べた。
一方で、毎年8月になると、企業の雇用ニーズは相対的に緩やかになり、大学卒業生が就職市場で積極的に動き出し、雇用サイドが賃金交渉の主導権をもつ買い手市場になる。ベテラン人材であっても、この時期に提示される賃金・待遇は低くなる。拉勾のデータでは、あらゆる条件が同じ求職者でも、一般的に8月に受け取れる賃金は春節後に受け取れる賃金より15-20%低くなることがわかる。
■ネット関係者はベテランほど歓迎される
ここ数年、ネット業界の「高収入」というイメージが、より多くの若者をこの業界に呼び込んできた。同時に業界内には「30歳を過ぎると仕事を見つけるのが難しくなる」などの懸念が広がるが、拉勾のデータをみると、ネット関係者はそれとは逆に年を重ねれば重ねるほど歓迎される傾向があることがわかる。
ネット関係者で勤続年数1-3年の人は、1年以下の新人に比べて賃金が44%増加する。3-5年の人は1-3年の人より67%も増加する。5年以上になると、平均月収は2万8000元(約46万2000円)に達し、10年を超えるとさらに4万元(約66万円)の大台を突破する。
勤続年数と賃金の上昇カーブをみると、ネット関係者の賃金の伸びには経験の「限界効果」というものが存在しない。新人は上昇カーブが緩やかな短い駆け出しの時期をくぐり抜けると、急上昇する飛躍の時期を迎える。ネット関係者はベテランになればなるほど値打ちがあるのだ。