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上海初のデジタル化無人農場が試験段階に突入―中国

収穫期を迎えている上海市嘉定区外岡鎮の田んぼではコンバイン数機が作業をしていた。作業員が操作する中、黄金色の穂が垂れ下がった稲がコンバインによってどんどん刈り取られていく。同鎮農業サービスセンターの張旭(ジャン・シュー)副センター長は、「もうすぐ、作業員は遠くに立ってボタンをいくつか押すだけで、コンバインが自動で作業をしてくれるようになる。デジタル化無人農場は現在、試験段階に入っている」と自信に満ちた表情で語った。

第14次五カ年計画(2021‐25年)期間中、上海は、農業の高い品質の発展先行エリア13エリアを構築する。その一つが外岡鎮の『デジタル化無人農場』を中心とした「グリーン田園先行エリア」だ。

上海外岡農機サービス専業合作社は今後、上海聯適導航技術有限公司と提携して、無人化農場モデルプロジェクトを実施する計画だ。現時点で、約13.3ヘクタールの水田で完全無人化作業が実現し、現有の農業機械の無人化改造もほぼ完了している。

上海聯適導航技術有限公司の李英(リー・イン)副総経理によると、農機の自動運転システムは主に、各種大・中型トラクター、各種コンバイン、田植機などの水田作業機械に搭載される。そして、「伝統的な農作業と比べると、自動運転システムが搭載された農業機械を使うと、6.7アール当たり、2キロ以上の種を節約できるほか、生産量は10キロ以上増える。また、燃料コストが50%以上、人件費が65%以上削減でき、土地利用率は0.5-1%向上する」とした。

嘉定区農機技術推進センターの馮敏康(フォン・ミンカン)センター長によると、上海聯適導航技術有限公司は現在、田植機、自走式噴霧機、コンバイン、トラクターの改良を実施している。改良後は、田んぼの作業の「耕す」、「植える」、「育てる」、「収穫する」の全ての段階をカバーするようになる。「植える」の面では、主に無人田植え機が使われ、作業員が「ハンドル」を握ることはなくなる。「育てる」は、農作物への肥料や農薬を散布する面で、自動農機の技術は既に成熟している。「収穫する」の面では、スマホのアプリを使って、自動コンバインを操縦し、遠隔で作業を進めることができるようになる。