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宇宙重力波探査の「天琴計画」、宇宙試験の段階に入る―中国メディア

太原衛星発射センターは20日午前11時22分、「長征4号乙」キャリアロケットを使い技術実証衛星「天琴1号」を打ち上げた。天琴1号が正常に軌道に乗ったのは宇宙重力波探査計画「天琴」が正式に「宇宙試験」の段階に入ったことを意味する。科技日報が伝えた。

「天琴計画」は、中国科学院の羅俊(ルオ・ジュン)院士が2014年3月に、華中科技大学で開かれた国際会議で打ち出したものだ。羅氏は中国の宇宙重力波探査をめぐり、1994年より華中科技大学重力センターの洞窟実験室で基礎研究の準備を開始した。

同計画を具体的に見ると、2035年頃に地球から約10万キロ離れた軌道に3基の衛星を配置し、辺の長さ約17万キロの正三角形を作る。宇宙で重力波天文台を構築し、重力波を探査する。

中山大学と華中科技大学の共同研究チームが、天琴計画のプレ研究を実施するとともに、同計画の実施プランとロードマップを作成した。中山大学は2016年2月21日に、同計画の実施ロードマップ「0123計画」を発表した。

天琴計画首席科学者の羅氏によると、「0123計画」はすでに「1」の段階に入っている。この「1」には、高精度宇宙慣性基準技術実証衛星1基、天琴探路者実証衛星1基の打ち上げが含まれ、「天琴1号」はこの前者に当たる。

国家航天局は2018年10月に「高精度宇宙慣性基準技術実証衛星プロジェクト」の立ち上げを許可した。同プロジェクトが天琴「0123計画」の「1」ステップに対応するため、「天琴1号」と命名された。

「天琴1号」衛星チーフデザイナーの張立華(ジャン・リーホア)氏によると、これは中国初の国がプロジェクトを立ち上げ、大学がけん引する技術実証衛星で、国が正式にプロジェクトを立ち上げた初の重力波探査技術実証衛星でもある。