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5月連休を突然設定、異例の措置は経済効果を狙うためか―中国

中国政府が22日になり、5月初旬に4日間の連休を設けると発表したことについて、中国メディアの北京青年報は2019年3月23日付で、同措置は経済にも有利と指摘する論説を発表した。同論説は政策意図については踏み込まなかったが、異例の措置の最大の狙いは経済効果である可能性が高い。 

中国では祝日に伴う休日を「全国年節及紀念日放仮弁法(全国年越し及び記念日休日実施法)で定めている。実際の休日は、法定休日の前後の土曜と日曜を振り替えて連休を長くする慣行で、前年の末ごろに休日の設定が発表される。 

5月1日は、「労動節(メーデー)」の祝日で、現行法では1日だけの休日とされている。2018年の5月1日は火曜日だったために、土曜日だった4月28日を平日扱いにして、月曜日の4月30日を振り替え休日にすることで、3連休とした。しかし今年(19年)の5月1日は水曜日と土曜・日曜日から離れていたためか、連休は設定されなかった。 

しかし中国政府は3月22日、5月1日から4日までを連休とすると発表した。5月4日の木曜日と5日の金曜日を休日にする代わりに、4月28日と5月5日の日曜日は平日扱いにする。いずれにせよ、前年の決定を変更する異例の措置だ。 

北京青年報の論説は、メーデーを連休とした措置を「期せずして遭遇した」事態であり、「経済の平穏な発展を促進する貴重な作用がある」と論じた。連休の具体的な効果としては、「集中したショッピングや旅行などの消費行動を増加させ、市場に活気をもたらす」として「休日経済の積極的な作用が十分に発揮される」と主張した。 

同記事はさらに、「わが国経済の発展が直面する環境は今年、複雑さと厳しさを増している」と論じた上で、メーデー連休の設置を評価した。 

メーデー連休の突然の設置について、政府は「多くの大衆がよい意見や提案をした」「全国人民代表大会代表や政治協商会議委員(いずれも議員に相当)が、メーデーの特殊性や季節の特殊性を考慮して、変更と調整の提案をした」と理由を説明したが、具体的な説明とは言い難い。 

北京青年報の論説は直接触れなかったが、中国政府が考えた最大の理由が内需拡大だったとしてもおかしくはない。中国政府は米トランプ政権との貿易や投資の摩擦などに、神経を相当に尖らせている。いまだに予断が許されない状況ではあるが、国家経済を運営する上で、貿易や投資については「大きなリスクがある」と考えるのは当然だ。 

一方で、中国の内需拡大は順調だ。18年における経済成長に占める最終消費支出の貢献度は前年比18.6ポイント増の76.2%に達した。現状で、中国当局にとって経済を安定成長させるための最も信頼できる手段は、内需拡大策ということになる。