思いがけずやって来た自動車市場の厳寒の中、消費者は購入のハードルが低く、コストパフォーマンスのより高い中古車に目を向けるようになってきた。中国自動車流通協会が発表した市場分析報告によると、2018年の全国の中古車取引台数は累計1382万1900台に上り、累計で前年比11.46%増加した。取引金額は8603億5700万元(1元は約16.6円)で、同6.31%増加した。「中国青年報」が伝えた。
注目されるのは、新車市場で「SUV(スポーツ用多目的車)が不調なため2018年の自動車市場の販売台数がマイナス成長になった」のとは対照的に、中古SUVは中古車市場の成長を牽引する最も力強いエンジンになり、通年の増加率が30%を超えたことだ。
中古車取引プラットフォーム・車好多集団の王暁宇副社長は、「新車市場は飽和状態に向かっているが、自動車利用ニーズが十分に満たされていない人がまだたくさいる。現在、中国の自動車保有台数は世界2位だが、1千人あたりの保有台数は170台にとどまる。欧州や日本は約600台、『タイヤの上にある国』と呼ばれる米国は817台だ」と話す。
中古車と新車の流通量の割合でも保有台数と同じような開きが明らかにある。先進国では少なくとも中古車1.5に対して新車が1の割合になるが、中国の中古取引台数は新車の43%にしかならない。
王氏は、「中国の中古車市場には巨大な発展の潜在力がある。忌憚なく言えば、中古車は自動車消費の新たな成長源になるだろう。自動車市場発展の客観的法則を踏まえて分析すると、新車市場が飽和状態に向かう時には、中古車が必ず高度成長期を迎える」との見方を示す。
たとえば不動産の1平方メートルあたり平均価格が1万元を超えない安徽省淮南市では、自動車購入が若い人々の消費高度化の大きなシンボルになっている。統計報告によると、三線以下の都市では自動車を買いたい人の割合が77%に上り、潜在的消費意欲は一線都市と二線都市をはるかに上回るという。
全国乗用車市場情報連席会の崔東樹事務局長は、「多くの三線都市、四線都市では、公共交通の改善が待たれ、市民の自動車利用ニーズはまだまだ満たされていない。こうした状況は自動車メーカーにとって重要なチャンスでもある」と指摘する。
王氏は、「昨年は、90後(1990年代生まれ)が中古車市場で最も大きく成長する層になった。関連政策によるメリットが発揮されるのにともなって、中古車市場は『転換期』にさしかかり、新しい消費の特徴が目立つようになり、新しい消費の市場チャンスと新しい消費の流れが形成されつつある」と述べる。
王氏によれば、中古車の他地域からの流入制限政策が全面的に撤廃されたことで、三線都市、四線都市、それ以下の小都市に暮らす青年たちが消費者として台頭するようになり、中古車消費が「地域レベルの転換点」にさしかかったという。18年には中古車消費が自動車消費に占める割合の増加率が、三線都市は17.39%、四線都市は42%に達した。