第一財経ビジネスデータセンター(CBNData)はこのほど、阿里巴巴(アリババ)グループのアント・フィナンシャル傘下の第三者信用評価管理会社・芝麻信用管理有限公司と共同で「2018年国民の『身軽な生活』報告」を発表した。CBNDataのアンケート調査データと芝麻信用のデータに基づき、世代ごとに異なる消費習慣や物品の使用方法を考察したものだ。第一財経網が伝えた。
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買うより借りる、90後「スタイリッシュ族」の日常
90後(1990年代生まれ)は職場でキャリアアップの第1段階にさしかかり、生活のために奮闘努力している。95後(1995年から1999年生まれ)は学業と仕事との転換期にあり、まもなく経済的に独立する。この世代の若者が生活の中にあるさまざまな挑戦に一人で立ち向かうようになると、圧力もかかるようになる。収支のバランスを取って消費力を発揮し、思うようなクオリティの高い生活を追求するにはどうすればよいかが、彼らの直面しなければならない問題だ。
サイフはまだふくらんでいないが、これまでの若者たちと同様、90後の消費もいずれトレンドの先端を行くものになる。CBNDataの報告によれば、90後の40%が自分は「いつもトレンドの最前線にいる」と強く思っており、30%が「携帯電話の新機種が発売されるとすぐに購入する」という。
これと同時に、90後、95後の考え方は相対的に開放的で、CBNDataのアンケート調査によると、90後、95後の若者の圧倒的多数が第三者信用情報機関の芝麻ポイントを通じてシェアリングやレンタルなどのサービスを利用し、「爆買い」とは異なる新しい物品の利用スタイルを試している。報告によると、消費者の約90%が、「生活の中でレンタルサービスを利用したことがある」と答え、若者はレンタルする物品の種類がより多く、特に6〜10種類の物品をレンタルしたことがあるとした人の中で、90後の割合が他の年代を大きく上回った。ここから若者が「買うより借りる」生活スタイルにより慣れ親しんでいることがわかる。
広く受け入れられているシェアハウスやカーシェアリングなどのレンタルサービスだけでなく、衣類や携帯電話などの日常的に使用する物品のレンタルも若者の人気を集めており、一眼レフカメラのレンズ、ドローンを代表とする高額だが利用頻度のそれほど高くない物品もレンタルの人気が高い。ここから未来のレンタル生活にはより多くの選択肢と可能性があることがうかがえる。
レンタルにより「スタイリッシュ族」は日々新しい服を着られるようになり、女性は新しい服にいつでも違うアクセサリーを合わせられるようになった。またゲーム好きは新しいゲーム設備のために「かつかつの暮らし」を送る必要がなくなり、レンタルは男性にも歓迎されている。
また、報告の指摘によると、信用情報に基づく保証金の免除がレンタルのコストを一層引き下げると同時に、レンタル生活の普及を一層後押しした。芝麻ポイントでポイントを650以上獲得していれば、衣類レンタルプラットフォーム・衣二三で保証金ゼロで衣類を借りることができ、衣二三はこのシステムを取り入れて、ユーザーが約2倍に増加した。芝麻分でポイントを600以上獲得していれば、科学技術デジタル製品お試しプラットフォーム・探物で保証金なしでゲーム設備を借りることができ、探物はこのシステムを取り入れて、一日あたり平均ユーザー数がのべ7万人前後になり、一日あたりのアクセス数が10万件前後になった。
若者は買いたいという衝動に駆られやすい上、インターネットを利用したプラットフォームが購買意欲をそそるため、新しいものを試したいと強く願い、すぐに欲しがるがすぐに欲しくなくなるという若者の消費の特徴が最終的に強化されている。CBNDataのアンケート調査によれば、90後の33%が、「自分は興味がすぐに湧くがすぐに冷めるので、買ったものの多くはしばらくすると不要になる」ことを認める。報告は、「若者は『これが好き』という気持ちが購入決定に重要な役割を果たすことを他の世代よりも自覚している。大金を出しても満足することはなかなか難しい」と指摘する。
物質的に豊かな生活を送れる時代に成長した90後は、「断捨離」流の生活スタイルをよく理解しており、不要品を売却することにより積極的で、より長けている。CBNDataのアンケート調査では、90後と85後(1985年から1989年生まれ)の若者は不要品を売って最も多くの利益を得ており、最近1年間の売却益の平均は1100元(1元は約16.1円)を超えた。
具体的にみると、買い換え周期が比較的短い携帯電話は売却する人が最も多い物品で、売却した人の多くが1台以上売ったことがあるとしており、一人あたり平均は2.4台だ。CBNDataの報告が引用した芝麻信用の調査データによると、新しい携帯電話を買うと古い方を売却する人が多く、ここから多くの人がこうした「古いものを新しいものと交換する」「身軽な生活」スタイルを受け入れたことがわかる。
一方で、若者は不要品を個人に売るよりも、より簡単で迅速な売却方法——リサイクル機関に売却することをより好む。たとえば芝麻ポイントで一定の評価水準に達すると、信用に基づくリサイクルシステムを通じオンラインでリサイクルしたい物品の価格査定を受けた後、「代金を受け取ってから物品を送る」ことが可能な高度化したリサイクルサービスを利用することができる。
中古でも問題なし、好きなら宝物。
売る人がいれば買う人がいる。CBNDataの報告によると、若者の約60%が、「新品かどうかは気にならない」としている。品質がよく価格が安いというのが中古品のもつ最大の優位性で、レンタルと同様、中古を買えば衝動買いを防ぎ、シンプルで「身軽な生活」の追求が保障される。
90後の若者が購入する中古品の種類は各年代で最も多く、過去1年間の購入者数の割合が10%を超えるものは10種類あり、生活のさまざまな分野に広がる。中古の携帯電話、デジタル製品、本は利用価値が新品と大差ないことがほとんどで、若者が最もよく購入する中古品でもある。
また若者の多くが、中古を買う場合の最大の問題は売り手が信用できるかどうかだとしている。CBNDataの報告は、「消費者の60%近くが中古市場の売り手の信頼性に懸念を感じている」と指摘。中古のヘビーユーザー(2〜5種類を購入したことがある)ほど多くの売り手とやりとりし、吟味して選択する傾向がある。またヘビーユーザーは売り手の芝麻ポイントを自らチェックし、取引を確かなものにする割合が高い。
CBNDataの報告の予測では、未来の生活はますます「身軽」になるという。
まず、ものの利用がより身軽になり、保証金なしの身軽なレンタルが標準装備になり、レンタルの全チェーンが進化を続ける。芝麻信用を代表とする信用に基づく保証金免除サービスが消費者のレンタルに関わる負担を著しく軽減し、今後も引き続き普及拡大が進んで、レンタル界の標準装備になる見込みだ。
次は、ものの購入がより身軽になり、科学技術と信用システムが選択をより容易にし、適格な売り手から適格な商品を買うようになる。
最後に、ものの売却がより身軽になり、不要品の転売がより便利で気軽なものになり、信用システムがこれをバックアップし、個人に売るのも機関に売るのもより便利になり、正当な権利も十分に保護されるようになる。