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技術流出に続き…世界の優秀人材が中国に流れる―米紙

2018年6月4日、米紙ワシントン・ポストによると、米国の先端科学研究者の中国流出が止まらない。米有名大学や研究機関のポストを捨てて中国を目指すケースも増えている。豊富な資金や充実した研究環境が理由だ。澎湃新聞網が伝えた。 

スペイン出身の若手遺伝学者、ホセ・パストル・パレジャ氏は6年前、米イェール大学の研究者のポストを捨て、中国へ向かった。イェール大学では最先端の実験を行い、専門家らと共同研究も進めるなど、将来有望な研究者として期待されていた。 

しかし、ある年、海外旅行先からニューヨークに戻った際、入管で2時間にわたって尋問され、ビザの再取得を要求された。これをきっかけに、米国での地位を捨て、中国へ向かうことを決めたという。パレジャ氏は「こんなチャンスはめったにない。中国では豊富な研究費、ボーナス、スタッフも与えられ、研究拠点も整備されたのだから」と話す。 

米国ではトランプ政権の発足以降、科学技術分野の国家予算は削減され、移民受け入れは厳しくなった。科学者にとって魅力的な場所ではなくなりつつある。一方、中国はスーパーコンピューターや宇宙開発、人工知能、量子力学、クローン研究などでも着実に成果を挙げ、世界のトップリーダーの地位をうかがっている。中国政府は15年、国家戦略としてロボット、航空機など先端科学の研究に力を入れる方針を示している。