無料相談受付中

山梨学院・吉田監督、29年前の雪辱だ!高3の夏、長崎大会で負けた長崎商と激突

 第98回全国高校野球選手権大会(15日間・甲子園)が7日、開幕する。6日は開会式のリハーサルが行われ、スタンドでは第3日第2試合に対戦する山梨代表の山梨学院・吉田洸二監督(47)と長崎代表の長崎商・西口博之監督(56)による対談が行われた。前任校の清峰(長崎)を日本一に導いた吉田監督は自らの長崎商との縁について話し、改めて闘志をみなぎらせた。

 浅からぬ縁を持つチームとの対戦を前に、吉田監督が表情を引き締めた。指揮官として甲子園に立つのは春夏通して7度目。清峰では2009年センバツで全国優勝も成し遂げた監督の原点は、長崎商にあった。

 佐世保商で外野手として活躍していた1987年夏、長崎大会2回戦で長崎商と対戦し、2―9で敗れた。吉田監督は「あの負けで選手としての高校野球は終わりましたが、今度は指導者として甲子園を目指そうと思った試合です」と振り返る。山梨では初めてとなる夏の甲子園。29年前と同じ舞台での対戦に「本当に縁ってあるものですね」と笑みを見せた。

 長崎商は29年ぶり7度目の選手権出場。同校OBで17年目の指揮を執る西口監督は「吉田監督が山梨代表になったと聞いたとき、対戦するんじゃないかな、と思った」と、こちらも不思議な思いがあったことを明かした。吉田監督については「清峰時代から芯の強さとしたたかさを併せ持つ人、という印象。胸を借りる気持ちで戦いたい」と話した。

 試合が行われる8月9日は、71年前、長崎に原爆が投下された日。共に長崎で生まれ育った2人には強い思いがある。吉田監督が「この日に甲子園で試合ができるというのは特別なこと」と話せば、西口監督も「野球ができることに改めて感謝したい」。がっちり握手を交わした2人の指揮官。長崎と山梨で勝利を願う多くのファンのために、全力勝負を誓った。