県は18日、災害時に指定避難所となる県立高校などの県有施設のすべてに、無料の無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」を導入することを明らかにした。地震などの災害時に、安否連絡をしたい被災者がスマートフォンなどからインターネットに確実に接続できるようにするもので、平成29年3月から供用を始める。平時には、県民向けの行政情報や外国人旅行者への観光情報の提供に活用する。
県情報政策課によると、無線LAN導入は、震災直後などに携帯電話回線がパンクするなどでメールやインターネットが使えなくなっても、通信手段を確保できるようにするものとしている。整備費は8200万円。
被災者が無線LANを活用してスマホでメール発信やネット接続をすると、施設内のワイファイ用アンテナを通じて、県の光ファイバー網に接続する仕組み。これにより、被災者は家族の安否確認や災害情報、交通情報、行政情報の収集などが可能になる。
災害用に無線LANを整備するのは、県内の市町村が指定する「指定避難所」(計874カ所)のうち、すべての県有施設(41施設)。
帰宅困難者を一時的に受け入れる県庁防災新館(甲府市丸の内)をはじめ、県立高校など24の学校の体育館▽富士北麓公園(富士吉田市上吉田)、小瀬スポーツ公園(甲府市小瀬町)など7公園▽県民文化ホール(甲府市寿町)▽産業展示交流館のアイメッセ山梨(甲府市大津町)-などとしている。
このほか、国内外の多くの観光客が訪れる県立美術館(甲府市貢川)や同文学館(同)の2施設にも整備し、県外の人の緊急避難にも対応する。
設置するワイファイ用アンテナは、半径数十メートルの範囲でスマートフォンやパソコンからネットへの接続を可能にするという。
個人IDを事前に登録しておけばだれでも使える。県は導入前に、県民へのPRを展開し、利用方法の周知徹底を図るという。