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タス、「賃貸住宅市場レポート」発表、首都圏全地域で空室率が上昇

不動産評価Webサイト「TAS-MAP」を運営する(株)タス(東京都中央区)は、このほど、「賃貸住宅市場レポート 首都圏版2015年8月」および、「賃貸住宅市場レポート 関西圏・中京圏・福岡県版2015年8月」を発表した。
■首都圏版の概要
(1)中古マンション市場は本当に好調か?
一見好調に見える中古マンション市場だが、価格が上昇しているのは成約に至っている全体の10%程度の物件のみ。反面、それ以外の物件は在庫として積み上がるか、売却を断念して市場から退場しているという二極化の構図が見えてくる。

今後高齢化が進むにつれて、施設への転居や相続等により、多くの中古マンションが市場へ放出されることになる。一方で、新築マンションの供給数も、湾岸エリアを中心として、当面高水準で推移することが考えられる。中古マンションは都心に近い新築マンションとの競争を強いられることになるので、二極化がますます際立ってくることが予想される。

(2)2015年6月期 1都3県賃貸住宅指標
全地域で空室率TVI(タス空室インデックス)が上昇。特に東京市部、神奈川県、埼玉県のアパート系、埼玉県、千葉県のマンション系で上昇幅が大きくなっている。神奈川県については長期的にアパート系空室率TVIが上昇傾向、マンション系空室率TVIが下降傾向にあり、アパート系からマンション系への住み替えが起こっている可能性を示している。

■関西圏・中京圏・福岡県版の概要
(1)地方都市の賃貸市場は低迷~TAS-MAPユーザーアンケート2015年2月結果より~
地方都市の売買市場の不動産市況D.I.は43.9、賃貸市場の市況D.I.は40.9で、売買市場、賃貸市場共に「悪い」「やや悪い」と回答したユーザーの割合が高くなっている。売買市況が比較的好調な首都圏と異なり、地方都市においては、アベノミクス効果が波及していないことが読み取れる。

売買市場の今後の不動産市況D.I.は41.7、賃貸市場の市況D.I.は35.7で、共に現在の市況に比較してD.I.が低下している。相続税対策での賃貸住宅の供給は当面高い水準で推移することが予想される。一方で、地方都市においては需要が縮小傾向にあるため、賃貸住宅市場の縮小が継続し、物件の選別が厳しくなることが考えられる。

(2)2015年6月期 関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標
関西圏では前月比で、アパート系の空室率TVIは大阪府、京都府で引き続き悪化、兵庫県で改善した。マンション系空室率TVIは京都府で微増、大阪府と兵庫県で微減となった。愛知県および福岡県の空室率TVIは、アパート系、マンション系共に前月比で改善したが、静岡県では悪化している。