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1月の輸出入額10.8%減 中国税関総署発表

税関総署は今年1月の中国の輸出入総額が前年同期比10.8%減の2兆900億元だったと公表した。そのうち輸出は同3.2%減の1兆2300億元で、輸入は同19.7%減の8600億元だった。貿易黒字は3669億元で、同87.5%拡大し過去最高となった。また、税関は今後の税関統計データを人民元ベースで発表すると表明した。2月9日、中国証券報が伝えた。

中国の1月の輸出は対米国(同4.9%増の2161億6000万元)、ASEAN(同15.6%増の1679億9000万元)が伸びた一方、対EU(同4.4%減の2071億3000万元)、日本(同20.4%減の732億7000万元)は縮小した。輸入は全面的に縮んだ。

外需の回復や貿易推進施策によって、昨年後半から中国の輸出は安定的に拡大してきたが、国際大衆商品の大幅下落によって、輸入は昨年11月以降マイナスが続いている。

交通銀行チーフエコノミストの連平氏は「昨年同期の数値が高かったのも一因だが、加工貿易や労働密集型商品の輸出が落ちており、競争力の低下も鮮明になっている。また、大衆商品価格の下落や内需の弱含みが輸入量、価格の下落を招いている」と分析した。

今後の貿易について光大証券チーフエコノミストの徐高氏は「春節の影響があるため数値だけで現状を判断できないが、貿易黒字の高止まりを見ると、内需の弱さは否定できない。人民元の上昇も外需の抑制要因となるだろう」と述べた。

連平氏は「米国の消費マインドが強さを維持しており、国内にも輸出税還付や鉄道設備の海外輸出、現代版シルクロードとも言われる「一帯一路」政策など輸出を後押しする政策が多い。春節後の輸出は伸びが期待できる」と語った。一方で、輸入については内需が足踏みを続けていることから、当面は弱含むとみられている。