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都留市の事業、大学生6人が評価 「循環バスに付加価値を」 山梨

市民の満足度の高い行財政運営を実現する手法として、都留市は5、6の両日、「市民による事業評価・提案会(学生版)」を開催した。都留文科大や市内に住む大学生6人が評価者となり、空き家活用による定住人口対策、子育て支援、ごみの分別収集、公共交通機関の利用促進の市事業4項目について評価した。市がバス会社に委託して運行する市内循環バスの利用者増を図る方策で、学生は「利用メリットを増やし、付加価値を加えることで利用者増が見込める」と提案した。

 事業評価・提案会は両日とも市役所業務が終わった午後7時から市役所会議室で始まった。評価対象事業担当職員らが傍聴するためだ。同大の山口博史教授(社会学)がコーディネーターとなり、担当者が事業説明したあと、学生が事業内容を確認するため質問し、評価・提案した。

 4項目のうち、ごみ分別収集に関しては、学生のごみ出しマナーの悪さが取り上げられた。可燃、不燃、粗大に大別するのがルールだが、環境美化協力員から都留文科大周辺でごみの混在で苦情が多いとの実態説明が市側からあった。アパート住まいが多い都留文科大の新入生にはオリエンテーリングでごみの出し方を説明しているが、「学生の意識の問題だ」と担当職員が説明すると、学生からは「学生を環境美化協力員に委託したらどうか」などの提案があり、ごみの分別に学生も責任を負うシステムを求めた。

 バスや鉄道など公共交通利用促進の項目で、市は平成24年8月から市内主要箇所を一巡する「都留市内循環バス」の本格運行を開始して、徐々に利用者が増えている実情を説明し、さらなる利用促進方策が必要とした。男子学生の「利用メリットを増やし、付加価値を付けたらいい」の発言に、他の学生が公設温泉までの利用で「バーベキューとのセット料金はどうか」と移動手段以外の利用を促した。女子学生からは「12月以降、就活で甲府へたびたび行くが、大月までの直行便があれば便利」「飲み会後の夜間便があれば、安全に帰宅できる」「そもそも循環バスのバス停がわかりにくい」。循環バスの利用を促す手法は多そうだ。

 コーディネーターの山口教授は評価後のまとめで「学生、大学、地域の関係は古くて新しい問題。いままでになかった考えを出すのが大学であり、そこに通う学生がこれまでと違う視点で事業提案した」と総括し、学生の意見を今後の行政に反映するよう求めた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141108-00000032-san-l19