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新型インフル行動計画、市町村6割が未作成-奈良など3県は県内自治体で「作成ゼロ」

新型インフルエンザ等対策措置法(特措法)で市町村に対して発生に備えた行動計画の作成が求められているにもかかわらず、6割超の市町村が行動計画を作成していないことが分かった。内閣官房新型インフルエンザ等対策室が7日、有識者会議に報告した。奈良など3県では県内全市町村で未作成となっており、医療関係者からは「住民の生命を守るため、行動計画の作成は必要」などと早期作成を求める声が上がっている。【新井哉】

 東南アジアなどを中心に発生した鳥インフルエンザ(H5N1)による死亡例の報告などを受け、昨年4月に特措法が施行され、都道府県だけでなく、市町村に対しても行動計画を作成するよう求めていた。都道府県については、昨年度までに行動計画の作成を完了したが、市町村では、担当者が感染症以外の分野を兼務するケースも少なくなく、作成が遅れる傾向にあった。

 同室によると、10月24日の時点で行動計画の作成を済ませていたのは全市町村(1741市町村)の36%(629市町村)だった。60%超の市町村が未作成で、奈良(39市町村)と山梨(27市町村)、長崎(21市町村)の3県では、全市町村が未作成となっていた。また、福島や鹿児島など9県では、作成済みが1市町村にとどまっていることも判明した。

 全都道府県のうち14県で、今月末までに県内の市町村行動計画の作成を完了する予定。残る33都道府県については、12月から来年3月末までに作成を終える見通しだ。ただ、関係者からは「規模の小さい自治体に対し、期限内の作成を求めるのは無理がある」などと、この見通しを疑問視する声も上がっている。

 国は昨年11月に市町村行動計画作成の手引きを作成するなど、自治体への支援を行ってきたが、十分な効果が上がっていないのが実情だ。内閣官房は「今後も行動計画の作成支援を継続する」とし、あくまでも今年度内に全市町村で作成を完了させる考えを示している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141107-00000002-cbn-soci