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第3四半期のGDP成長率は7.3% 経済動向の4つの特徴

国家統計局は21日、今年年初から第3四半期までの国民経済の状況を発表した。統計によると、第3四半期のGDPの前年同期比成長率は7.3%で、前期より0.2ポイント下がった。専門家の分析によると、GDP成長率の低下の主な原因としては、投資の増加の勢いが不足していること、基準となる昨年同期の数値が高かったことが挙げられる。成長率は緩まっているが、経済動向はまだ合理的な範囲に収まっている。経済発展の特徴としては、(1)民間投資の成長率が高い、(2)輸出入の成長率が回復している、(3)第3次産業の比率が高まり、雇用吸収能力が高まっている、(4)住民収入の増加率がGDPの成長率を上回っている――が挙げられる。人民日報海外版が伝えた。

▽民間投資の成長率が加速

政府は年初以来、民間投資に対する緩和政策を継続し、許認可対象の範囲を削減し、市場へのアクセスをしやすくするなどの関連政策を取ってきた。李克強総理も、交通インフラや石油ガスパイプライン網などを含む80項目の「投資メニュー」を民間資本に提示し、市場というエンジンの力をさらに強化することを約束した。国家情報センター経済予測部マクロ研究室の牛犂室長は、「民間投資を奨励する国家の政策は効果を表しつつある。改革は市場の活力を引き出している」と評価する。

統計によると、民間投資は増加を続け、全国の固定資産投資に占める割合は7割近くに達している。今年1月から9月までの民間固定資産投資は23兆1509億元(1元は約17.5円)で、前年比名目成長率は18.3%(価格の要素を除いた実質成長率は17.5%)に達し、成長率は1月から8月までと比べて0.7ポイント下がった。民間固定資産投資が全国の固定資産投資(農家を除く)に占める割合は64.7%にのぼった。

産業分類別に見ると、民間固定資産投資の前年同期比成長率は第1次産業で31.2%、第2次産業で17.0%、第3次産業で18.9%だった。

▽輸出入の成長率が回復

年初から第3四半期までの輸出入総額は19兆4223億元(3兆1626億ドル)に達し、前年同期比の成長率は3.3%で、上半期を2.1ポイント上回った。輸出の成長率は5.1%、輸入の成長率は1.3%だった。貿易収支は1兆4226億元(2316億ドル)の黒字だった。

交通銀行の発表した報告によると、輸出の形勢は良好で、経済成長の質と効果は高まっている。需要は全体として下落しているものの、輸出のうちの「見せかけの貿易」の部分が追い出されているためとみられる。下半期の輸出の成長率は10%を超える可能性もあり、下半期のGDP成長率への貢献は0.5ポイントに達すると見られる。

牛犂室長の分析によると、世界経済がゆるやかに成長し、基準となる数値が変化し、貿易の「見せかけ」の増加が駆逐されていることなどから、中国の輸出入貿易は常態を回復しつつある。

交通銀行の報告は、「米国経済の回復が続き、人民元レートが安定し、貿易安定化措置が奏功していることなどから、輸出は安定した成長を維持し、第4四半期の輸出の成長率は10%前後に達し、通年の輸出成長率は7%前後となる見込みだ」としている。

▽第3次産業の割合が拡大

今年年初から第3四半期までのデータによると、第1次産業の付加価値額は3兆7996億元で前年同期比4.2%増、第2次産業の付加価値額は18兆5787億元で同7.4%増、第3次産業の付加価値額は19兆6125億元で同比7.9%増となった。第3次産業の付加価値額が国内総生産に占める割合は46.7%で、昨年同期より1.2ポイント拡大し、第2次産業を2.5ポイント上回った。

国家統計局の盛来運報道官は、産業構造が新たな突破を実現しつつあると指摘する。第3次産業の比率が拡大を続け、サービス業の付加価値額の成長率が工業を上回っているのは、サービス業の付加価値額の成長率が昨年、工業を初めて追い抜いてから継続している傾向だ。工業の内部構造の調整も加速されており、新産業・新業態・新製品はまだ高い成長速度を保っており、経済全体がミドル・ハイレベルに進む傾向が明らかに見られる。

牛犂室長は、「第3次産業の比率の高まりは、産業構造更新の法則に合っており、サービス業の比率の拡大は長期的に続く発展傾向と見られる。先進国のサービス業の比率は70%以上だが、中国は40%余りにすぎない」と指摘する。

▽GDP成長率を上回る住民収入増加率

今年年初から第3四半期まで、全国の農村住民の一人当たりの現金収入は8527元で、名目成長率は前年同期比11.8%、価格の要素を除いた実質成長率は9.7%だった。全国の都市住民の一人当たりの可処分所得は2万2044元で、名目成長率は同比9.3%、実質成長率は6.9%だった。都市・農村の一体化された住民調査によると、年初から第3四半期までの全国の住民一人当たりの可処分所得は1万4986元で、名目成長率は10.5%、実質成長率は8.2%で、今年の同期のGDP成長率(7.4%)を0.8ポイント上回った。

「住民収入の名目成長率は、財政収入の成長率よりも高い。今年の第3四半期までの財政収入の成長率は8.1%だった。住民収入の成長率はまた企業利益の成長率も上回っている。このことは、国民経済の一次分配に占める住民収入の割合が高まっていることを意味する」と盛来運報道官は指摘する。発表されたデータによると、都市と農村の住民収入の格差も減少を続けている。また住民収入の中央値の増加率も平均を上回っており、収入格差の問題がいくらか改善していることがわかる。

住民収入の成長速度がGDPを超えたことは一つの成果と言える。中国人民大学財政金融学院の趙錫軍・副院長はこれについて、所得分配制度の改革や最低賃金標準や労働報酬の引き上げ、社会保障水準の向上、雇用拡大などの政府が推進する措置が奏功していると分析している。(編集MA)

「人民網日本語版」2014年10月23日