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導入が見送られた幻の「飛鳥」ナンバー 明暗を分けた理由とは

29種類になった「ご当地ナンバー」

 自動車の「ご当地ナンバー」第2弾が、2014年11月17日から導入されました。「ご当地ナンバー」は2006年10月10日から導入が始まり、その第1弾で誕生したナンバーの地域名は以下の19種類です。

・仙台(宮城県)
・会津(福島県)
・那須(栃木県)
・高崎(群馬県)
・つくば(茨城県)
・成田(千葉県)
・柏(千葉県)
・川越(埼玉県)
・諏訪(長野県)
・金沢(石川県)
・伊豆(静岡県)
・富士山(静岡県、山梨県)
・岡崎(愛知県)
・豊田(愛知県)
・一宮(愛知県)
・鈴鹿(三重県)
・堺(大阪府)
・倉敷(岡山県)
・下関(山口県)

 そして今回導入された第2弾は、以下の10種類です。

・盛岡(岩手県)
・平泉(岩手県)
・郡山(福島県)
・前橋(群馬県)
・川口(埼玉県)
・越谷(埼玉県)
・杉並(東京都)
・世田谷(東京都)
・春日井(愛知県)
・奄美(鹿児島県)

 実は「ご当地ナンバー」第2弾では、実現しなかった地域名がひとつだけあります。奈良県の「飛鳥」です。なぜこれだけ実現しなかったのでしょうか。


離島だったら実現していた「飛鳥」?

 「ご当地ナンバー」第2弾の導入にあたって、国土交通省はその対象となる地域についていくつかの基準を設けており、主なものを以下へ簡単にまとめます。

・まとまりがあり広く一般に認知されていること。
・対象地域内の登録自動車数が10万台を越えていること。
・地域住民の具体的なニーズがあること。
・読みやすく覚えやすく、ほかと混同しないものであること。
・原則として漢字2文字、やむを得ない場合は4文字までOKだがローマ字はNG。

 「飛鳥」ナンバーは奈良県の橿原市、高市郡明日香村、高取町、吉野郡吉野町が対象地域で、日本史の「飛鳥時代」など知名度や分かりやすさはピカイチです。しかし、登録自動車数が10万台に達していませんでした。そのため2013年8月2日、国土交通省は第2弾に応募された11地域のうち、「飛鳥」のみ「導入見送り」としたのです。

 ただ国土交通省は「飛鳥」について、次の文言を付け加えました。

「なお、関係する自治体との調整を踏まえ、本年10月末までに要望書の再提出がなされた場合に限り、改めて導入の是非を検討する」

 つまり今回は10万台に達していないので却下だが、「飛鳥ナンバー」を導入する自治体が増えるなどして改善したところで要望してもらえば改めて審査する、というわけです。

 ですが「飛鳥ナンバー」は実現しませんでした。奈良県橿原市によると「新たに賛同の意思を表明される自治体がなかったため、誠に残念ではありますが、国土交通省への再要望は行わないことといたしました」とのことです。実現していれば、特に歴史好きには注目のナンバーになったかもしれません。

 さて実は今回の第2弾で、登録自動車台数が10万台に達していないにもかかわらず、「ご当地ナンバー」の導入が実現した地域があります。鹿児島県の奄美群島をエリアとし、2014年3月末時点で約8万3000台の「奄美」です。

 種明かしをすると、導入要件の登録自動車数について「対象地域の全部が離島である場合は、これに準ずる規模の台数であること」、つまり離島に関しては台数の要件を緩和する一文があるのです。「奄美」は第1弾公募の際に、基準の10万台を満たせず落選。第2弾でこの一文が導入要件に加わったことにより今回、第1弾から10年越しの希望が実現しました。

(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141117-00010001-norimono-l29)