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日本の技術、復興へ一役 フィリピン台風から1年

台風30号(現地名ヨランダ)がフィリピン中部に壊滅的な被害を与えてから、8日で丸1年を迎えた。日本からやってきた職人や専門家たちの技と知恵が、暮らしを立て直そうとする被災地の人びとを後押ししている。

【写真】被災地にともされた竹灯籠(とうろう)を人々が見て回った=7日夜、レイテ島パロ、葛谷晋吾撮影


■学校再建へ工法伝授

 レイテ島の中心都市タクロバンから南に約40キロのドゥラグ。台風で屋根が吹き飛んで校舎が半壊し、新校舎建設が進む高校に7日、職人がやってきた。山梨県から来た屋根工・臼井克也さん(42)と溶接工・渡辺ノエルさん(51)だ。

 台風の強風と高潮は約108万戸の家屋を壊した。風で屋根が飛ばされた被害が多く、数百人が屋根材のトタン板に当たって死傷した。とくに学校は避難場所にもなるため、「屋根が飛ばされない技術の伝授を」と国際協力機構(JICA)に請われた。山梨出身のJICAの担当者の人脈が2人につながった。

 臼井さんはこの道25年で寺院の屋根の補修も手がける。4日に被災地に来て壊れた建物を見て「ミリ単位の仕事ができていない」と感じた。屋根を支える骨格がずれているので、ゆがみが生じて強度が弱まり、屋根が飛んでしまうという。

 そこで初日の7日は正確さを学んでもらおうと、地元の若手作業員らに座学で「直角の作り方」を教えた。日本では小学校で習うコンパスを使う方法だ。特別な測量機器がなくても、ひもと釘で直角を作り、設計図通りに作業ができる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141108-00000019-asahi-soci