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新型コロナの影響で自転車が人気に、中国のメーカーが成長―中国メディア

新型コロナウイルスの影響で、人々の消費観念も健康的で、エコな方向へと変化している。そして、中国の自転車業界は回復に向かっている。広東省広州では現在、2020年中国自転車産業大会が開催されている。中国自転車協会の郭文玉(グオ・ウェンユー)副理事長兼秘書長は、「現在、中国の自転車メーカーは、モデル転換と高度化を加速させ、世界における知名度と影響力を向上させることが急務」と指摘している。中国新聞社が伝えた。

自動車業界の1カ月当たりの生産量は今年7月から3カ月連続で増加をキープしている。うち、輸出はマイナス成長からプラス成長へと転じた。中国自転車協会の統計によると、今年1月から9月にかけて、中国の自転車の輸出は前年同期比3.9%増の4166万3000台、輸出額は人民元にして前年同期比12%増の159億8400万元(約2557億4400万円)に達した。

郭氏は、「新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大するようになって以降、業界全体はジェットコースターのような変化を経験してきた。特に、今年第1四半期(1-3月)、川上産業からの供給が中断し、川下の生産が止まった。そして、ニーズも縮小し、中国の自転車製品は大きな影響を受けた。その後、中国の感染拡大が抑制されるにつれて、自転車と電動自転車は予想を上回る発展を見せた」と説明する。

広東省自転車・電動車業界協会の劉春生(リウ・チュンション)会長によると、「新型コロナの影響で、海外では自転車と電動自転車が、多くの人が近場に出かける時の交通手段になった。特に、欧州連合(EU)の一部の国は、公共交通機関が混雑しないように、オルタナティブな交通手段を奨励している。政府は、自転車を購入する市民に補助金を給付しており、自転車の売上高が伸びている」とし、「今年、産業規模が昨年比で3割増になる見込み」と予想している。

郭氏は、 「1‐9月、一定規模以上の自転車企業(年売上高2000万元以上の企業)の総生産量は15%増となった。業界は今後の発展に大きな自信を持っている。世界の情勢が複雑化し、輸出に大きな圧力がかかるようになっているものの、自転車業界の輸出は落ち着いており、回復が期待できる」としている。

自転車産業大会で発表された「2021自転車・電動自転車流行動向報告」によると、中国の自転車製品のミドル・ハイエンド化が際立っている。現在、1000元(約1万6000円)以上の自転車の割合が上昇中で、リチウムイオン電池を搭載した電動自転車を代表とするハイエンド製品の割合も上昇している。また、人工知能やインダストリアルインターネット、5G通信技術がさらに成熟し、スマート化、コネクテッド化が、今後の中国の自転車、電動アシスト自転車、電動自転車の発展の流れになるとみられている。それら技術が発展するにつれて、生鮮・デリバリー配送、交通手段のシェアリングなどの商業スタイルも登場し、自転車業界に新たな発展のチャンスをもたらしている。