ドイツ大手自動車メーカーのダイムラーとBMWが2月28日、次世代自動運転技術の研究開発で協力することを発表した。両社は長期的戦略協力として、2025年頃をめどに次世代技術の広範囲な応用を達成したいとしている。中国新聞社が伝えた。
同日発表された協力概要によると、双方はすでに協力覚書に調印している。初期段階の活動の重点は次世代運転支援システムの研究開発を共同で加速すること、高速道路での自動運転技術と停止機能を向上させること(目標はレベル4)だ。
BMWの事業発展の責任者を務めるクラウス・フレーリッヒ取締役は同日、「両社の専門的知識を結集すれば、イノベーションの力が高まり、技術の普及拡大ペースも加速する」と述べた。
ダイムラーのオラ・ケレニウス取締役は、「私たちのみるところでは、自動運転は目下の発展トレンドであり、革命的なもので、ダイムラーグループは全体で自動運転技術の研究開発に力を入れている。両社の協力を通じて、現在の自動運転技術のレベルを大幅に向上させるとともに、安全性がしっかり保障されるようにしたい」と述べた。
今回の協力では両社の技術とノウハウ、拡大発展が可能なシステムの枠組を統合することで、次世代技術の研究開発の効率向上が期待される。またイノベーションの周期が短くなって、新技術がより迅速に市場に登場するようになるとみられる。両社にとっては、車内の乗客や道路上の通行人の安全性が非常に重要であるため、システムの信頼性も今回の協力の成果を示す重要な基準になる。また両社は協力拡大の可能性についても計画や話し合いを進めており、高速道路や都市部での自動運転の実現を目指したいとしている。
両社が共同で研究開発を進める次世代自動運転技術にはさまざまなレベルのものがある。レベル3とレベル4を達成した自動運転車は高速道路での走行が可能になる。両社はさらに他の科学技術企業や自動車メーカーともより多くの協力関係を構築するという。
BMWもダイムラーも高級乗用車市場でシェアのトップを競い、ドイツ自動車メーカーにおける「強力なライバル同士」とみられてきた。しかしここ数年は、自動運転やシェア交通などの新興分野で緊密な協力を展開している。18年3月には、傘下のシェア交通事業を統合し、それぞれ株式を50%ずつ保有すると発表した。2月22日には、シェア交通分野に10億ユーロ(約1270億円)を共同出資して合弁企業5社を設立し、それぞれ複合一貫輸送、シェア充電ポール、タクシー配車、駐車場シェアリング、カーシェアリングの業務を担当すると発表した。