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テスラの中国工場が起工、年内にModel3生産へ―上海市

上海市政府が7日に発表したところによると、上海の歴史始まって以来最大の外資による製造業プロジェクトとなる米電気自動車(EV)大手テスラの巨大工場「ギガファクトリー」は、上海臨港産業区で建設工事がスタートした。初期段階の計画では年間25万台のEVを生産し、これにはModel3シリーズなども含まれるという。北京商報が伝えた。 

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テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同日午前にSNSで発信したメッセージによると、テスラ上海工場は中華圏向けにModel3とModelYを生産する。計画では今年の夏までに基礎的な建設を終え、年内にModel3の生産を開始し、来年は量産化を実現する予定という。 

テスラは2018年10月、上海市計画・国土資源管理局との間で「土地譲渡契約」に調印し、テスラは9億7300万元(約155億6800万円)の取引価格で上海臨港産業区装備産業区Q01-05ブロックの工業用地86万4885平方メートルを取得した。 

テスラにとって中国市場の重要性がますます高まっている。マスクCEOは、「これまでの6年間、テスラは中国で営業スポットを60カ所開設し、急速充電ポール1500基と目的地充電ポール1850基あまりを設置した。今日、上海ギガファクトリーの起工式を行ったことは、テスラが中国市場で引き続き投資を拡大すると約束することを裏付けるものだ」と述べた。 

Model3はテスラで最も人気のある普及型車種で、今後の中国での事業展開の重点になる。テスラの関係責任者は、「上海ギガファクトリーは中国市場向けにEVのModel3と未来の新型車種を生産する。工場が完成したら、第1段階としてModel3を毎週3000台生産し、フル稼働の段階に達すれば年間生産量を50万台に増やす。だがこの計画は監督管理機関の審査認可や供給チェーンの状況など現地の要因に左右される」と説明した。 

中国で国産化プロセスを加速させながらも、テスラはこれまでずっと関税に悩まされてきた。財政部は18年5月、同年7月1日より自動車完成車の関税を25%から15%に引き下げると発表したが、8月23日には、米国からの輸入乗用車に対して25%の追加関税を課すと発表し、米国車の関税は一気に40%に跳ね上がった。その後、テスラは中国で販売するModelSとModelXの両車種の価格を大幅に引き上げ、テスラEVの中国市場における競争力は深刻なダメージを負った。乗用車市場情報連席会が発表したデータによると、昨年第3四半期にテスラの中国販売量は前年同期比37%減少し、2018年10月の販売量は同70%も減少したという。 

注目されるのは、Model3輸入車の中国市場への進出ペースが国産化の動きよりもかなり速いことだ。テスラは数日前、中国の顧客からのModel3の予約受付を開始すると発表し、引き渡しは19年3月以降になる予定だが、早めに予約すれば2月中に引き渡せる可能性があるとした。 

消費者にアピールするため、中国に上陸して間もない輸入Model3の2車種はすでに2回の値下げが行われた。テスラの顧客サービス担当者は、「Model3の長航続距離デュアルモーター4輪駆動タイプとパフォーマンス仕様4輪駆動タイプの最初に発表した定価は58万8000元(約940万)と69万8000元(約1117万円)だったが、現在は49万9000元(約798万円)と56万元(約896万円)に下がっている」と説明した。 

業界関係者は、「今回の上海工場が担う最重要の使命はModel3の生産スタートだ。国産化を果たしたModel3の価格がより競争力をもつようになることは確実だ。テスラが損失から脱して持続的な黒字を達成するには、中国国産化レベルを加速し続けることが必要になる」との見方を示した。