23日、広東省の広州と深セン市、香港を結ぶ広深香高速鉄道の香港区間が正式に開通し、中国全土の高速鉄道網がさらに拡大した。データによると、2017年末現在、中国高速鉄道の総延長距離は2万5000キロメートルに達し、世界一となっている。20年には高速鉄道網が大都市の80%以上をカバーする見込みだ。経済日報が伝えた。
予想では、高速鉄道網の広がりによって生まれた「高速鉄道観光」は20年に市場規模が1000億元(約1兆6000億円)に達し、観光産業の「新たなブルー・オーシャン」になるとみられる。携程旅行網の共同創業者で、執行取締役会の代表を務める梁建章(リアン・ジエンジャン)氏は、「2017年には、中国の国内観光客がのべ50億人を突破した。高速鉄道が中国人の活動範囲を他国の2倍に広げており、25年には高速鉄道の利用者がのべ30億人を超えて、このうち半数が観光客になる見込みだ。将来は高速鉄道の旅が国内観光旅行の20%を占めるようになる」と予測する。
高速鉄道網が日々充実するのにともない、高速鉄道がますます多くの観光客が真っ先に選ぶ交通手段になってきた。沿線の中小規模の観光地の多くが観光客の旅程に組み込まれ、現地の観光産業は爆発的成長を遂げている。たとえば合福高速鉄道(安徽省合肥-福建省福州)、滬昆高速鉄道(上海-雲南省昆明)、西成高速鉄道(陝西省西安-四川省成都)などの「最も美しい高速鉄道」が、相次いで国内外の観光客の新たな選択肢になっている。
高速鉄道観光の持続的な温度上昇にともない、携程はこのほど、アプリケーションに高速鉄道観光チャンネルを開設したと発表。高速鉄道沿線都市をすべてカバーすると同時に、目的地のホテル、観光地、観光ルート、娯楽施設など一連の商品の予約サービスの提供を始めたという。
携程の孫波(スン・ボー)シニア副社長は、「現在、高速鉄道観光市場はまだ固まっておらず、商品のスタイルも相対的に画一的で、高速鉄道利用の団体ツアーや高速鉄道+宿といった商品が中心だ。現在はレンタカー、観光地めぐり、グルメ堪能、ショッピングなどそれぞれの個性に応じたニーズを持つ観光客が多い。高速鉄道駅から観光地までの最後の1時間の交通にとっても、目的地の旅の見どころや現地グルメの検索にとっても、総合的な高速鉄道観光サービスのプラットフォームが必要だ。そこで携程は他社に先駆けて高速鉄道観光チャンネルを開通し、さまざまな観光客の旅のニーズに応えることにした」と説明する。
梁氏は、「私たちは高速鉄道沿線のすべての都市と現地の特色ある観光資源を、観光マップの形で高速鉄道観光のチャンネルに表示している。ユーザーは自分のいる場所の位置情報に基づいて、移動時間などの条件を打ち込めば、それぞれのニーズに合った目的地を選ぶことができる。消費者はこのチャンネルで目的地の観光スポット、グルメ情報、旅の見どころを検索できるし、現地のホテル、観光地の入場券、レンタカー、一日観光ツアー、観光地への直通列車などの観光商品を予約することもできる」と話す。
観光の専門家は、「高速鉄道観光チャンネルは旅の見どころや観光商品などの資源を網羅して並べたもので、消費者の目的地における観光消費ニーズに対応するものとなる」との見方を示す。また梁氏は、「中国観光市場の急速な成長にともない、ユーザーのニーズが細分化を続けている。私たちは商品やサービスを絶えず改善し、観光消費の新たなトレンドに合わせ、ユーザーのロイヤリティーを高める必要がある」と述べる。