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アリババとテンセントがオフライン小売包囲戦で激突

阿里巴巴(アリババ)と騰訊(テンセント)が小売産業にもたらす利益に大きな期待が寄せられ、双方は盟友たちを巻き込みオフライン小売産業での囲い込みを絶えず行っている。最近はテンセント、アリババ、各陣営の主要な実店舗型小売の大手たちが相次いで決算を発表しており、アリババは今月23日に2018年6月30日までの19年度第1四半期の決算を報告した。新小売とスマート小売の戦いがますます激しくなり、アリババ系とテンセント系を代表とする大手グループは早くから砦を築いてきた。双方は全国的小売企業や地域の小売企業をことごとく掌中に収めており、双方が今後吸収できて意気投合できる企業はますます少なくなり、オフライン配置はおのずと初期のゆっくり試行する段階から急速に包囲する段階へと転換している。「北京商報」が伝えた。 

ECからスタートしたアリババとリアルタイム通信サービスから台頭してきたテンセント。両者は本来は無関係だった小売分野で派手にやり合うようになった。8月になり、双方は相次いで決算を発表し、傘下の実店舗型小売大手もここ2カ月間に上半期決算を次々発表してきた。アリババとテンセントが小売産業で大々的に事業を展開するようになってから発表される「通知表」は、提携の効果を直接映し出す鏡であり、また各社の決算における財務データは最も有力な証拠になる。 

アリババとテンセント、そして実店舗型小売大手が順々に決算を発表し、アリババとテンセントのオフライン囲い込みの成果が明らかになった。アリババの決算データをみると、19年度第1四半期には、輸入業務、新小売の盒馬鮮生、デパートの銀泰百貨を中心とした新小売業務の収入増加率が340%を超えた。アリババ陣営で最も注目を集める高新零售は純利益が微増したことを示す18年度中間決算を発表し、大型ショッピングセンターの高■(品の口が金)零售の上半期営業額は540億6千万元(1元は約16.3円)に達し、前年の水準を保った。アリババとより深い関わりがあるスーパーチェーンの三江購物の営業収入は20億7700万元で、前年同期比7.91%増加した。 

アリババ系の決算は好調だが、テンセント系も負けていない。ウォルマートの中国市場での第2四半期の総売上高は同4.3%増加し、比較可能な売上高は同1.5%増加した。カルフール中国はテンセントと提携して半年後に決算を発表し、18年上半期には中華圏の営業利益が3200万ユーロ(1ユーロは約129.7円)に上り、同177%も増加したことを明らかにした。今年6月、ウォルマート中国はテンセントと深い戦略的協力関係を結び、双方はショッピング体験、決済の革新(イノベーション)、市場での営業販売、会員システムなどで小売のデジタル化・スマート化に向けた協力を展開するようになった。 

決算だけでなく、実店舗型小売企業は協力への満足感をはっきりと表明してもいる。高新零售は、「アリババと戦略的同盟を結んでから、大規模な売り場にネットの人気商品を置くなどして、品揃えを拡大・充実させることができた」と話す。カルフールと同じく、ウォルマートも、「テンセントとの協力が自社にすばらしい可能性をもたらした」との見方を示し、ダグ・マクミロン社長兼最高経営責任者(CEO)は、「今後はテンセントとの戦略的協力を進化させ、微信(WeChat)のミニプログラムを利用したウォルマートアプリによる決済機能(ウォルマートペイ)の普及拡大をはかる」と述べた。 

実店舗型小売大手はデータによって協力の通知表を外部に示しながら、双方の協力への満足を語り、今後に熱い期待を寄せることも忘れない。17年にはアリババとテンセントが意識的にまた無意識的に小売大手との接触を手探りしていたが、18年上半期が終わった時点で、双方は短期間にそれぞれの小売業態を系統的に構築し、双方による独占の局面を形成しており、オフラインの包囲線が正式に始まっていた。 

中国社会科学院財経戦略研究院の李勇堅院長は、「アリババもテンセントも早急に実店舗型小売大手との提携の成果を外部に示し、これをてこにより多くの協力パートナーを味方に引き入れる必要がある。質の高い小売企業資源は有限で、インターネット大手は早急に限られた選択肢の中から最も適切な提携相手を探さなければならない」と述べた。 

EC取引技術国家プロジェクト実験室の趙振営研究員によると、「アリババはプラットフォーム型企業であり、EC業務では常に強い立場にあり、成熟した運営システムを作り上げた。触手を小売分野へ深く延ばそうとする時、既存のモデルと実店舗小売企業とのすりあわせを試みてきた。アリババはなんといってもシステムの核心であり、強い発言権をもち、ユーザー運営の過程で大規模プラットフォームの先端サービスと末端サービスを通じ、供給チェーンに深く食い込んできた。テンセントは手元にある資源をてこにして実店舗型小売企業を発展させ、さらに企業が相互に協力し合うよう促進し、より多くのサービスシーンを連携させ、実店舗型小売企業のモデル転換にツールを提供してきた」という。