2016年の冬が近づき、中国経済も「仕事納め」の時期に入りつつある。だが寒冷な気温と鮮明な対照を成すのは、これまで持続的に低下してきた一連の重要指標が反転して、回復傾向をみせており、外部に「中国の信頼度の高さ」を発信していることだ。新華網が伝えた。
国家統計局の毛盛勇報道官は14日に行われた記者会見で10月のデータを解説し、「中国経済の成長のエネルギーが目立って改善しており、次の段階にインフレ圧力が目立って上昇することはあり得ず、通年の国内総生産(GDP)成長率目標の達成には何の問題もない」と述べた。
▽ニンニクなど一部商品の大幅値上がりはインフレにはつながらない
ここ数カ月、ニンニクの大幅値上がりなどが主な原因となり、一連の商品の価格が急速に上昇した。同局が9日に発表したデータをみると、10月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下し、前年同月比では2.1%上昇し、今年6月以降で初めて前年同月比上昇幅が2%を上回った。アナリストによると、「貸出の伸びが高水準を維持し、これに農産品価格が上昇の一途をたどっていること、不動産価格の上昇が徐々に波及していることが加わり、来年はインフレ圧力が目立って増大するものと予想される」という。
これについて毛報道官は、「今後のCPI上昇幅は合理的な水準でコントロールされるとみられ、中国ではインフレ圧力が目立って上昇することはあり得ない」と述べた。また毛報道官は、「ニンニク価格の上昇は主に需給のアンバランスと資金の投機行為の2大要因によるもの。短期的な価格上昇であり、個別の商品の価格上昇であり、インフレを構成するには至らない」との見方を示した。
▽GDP6.5%以上の目標は問題なく達成できる
10月に発表された複数の経済データは、外部に中国経済が「安定剤」を備えているというシグナルを発した。先行指標である購買担当者指数(PMI)が9月比0.8%上昇と大幅に上昇しただけでなく、CPIと同じ日に発表された10月の生産者物価指数(PPI)も同1.2%上昇し、前月比では0.7%上昇した。PPIは9月に54カ月続いた前年同月比低下の局面を終わらせた後、10月も上昇傾向を示し、上昇幅は9月の0.1%から1.1ポイント拡大した。また前月比上昇幅も9月より0.2ポイント拡大して、温度の一層の回復傾向をうかがわせた。
毛報道官は、「4つの安定」と「4つの改善」という言葉で10月の経済運営の特徴をまとめた。毛報道官はデータを解説しつつ、「生産、需要、雇用が全体として安定し、利益の伸びも安定していた。需給関係と経済構造が引き続き改善され、中国経済の成長エネルギーが目立って改善され、第三次産業の投資の伸びが第二次産業を大幅に上回り、第二次産業内部の一連の技術力の高い分野、設備製造の分野、モデル転換・バージョンアップを代表する分野への投資の伸びが投資全体の伸びを上回った。市場の予測が目立って改善され、市場主体が増加を続け、新しい業態が急速に伸びた」と述べた。
また毛報道官は、「第1〜3四半期(1〜9月)を振り返ると、経済の安定的運営状況が確固としたものになり、安定しつつ進歩を遂げ、安定しつつ質が向上し、経済運営の積極的要因が持続的に積み上がっており、全体的にみてこうした大きな流れは第4四半期(10〜12月)も大きく変わることはないとみられる」とした上で、「通年でGDP成長率6.5%以上という目標を達成するのには何の問題もない」と述べた。