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「爆買い」は過去のもの、日本企業は海外通販に商機―中国メディア

日本メディアの報道によると、今年上半期には日本を訪れる外国人観光客の伸びが鈍化し、これまで日本製品を買うことに夢中だった中国人観光客の支出も減少し、大手総合免税店ラオックスは経営に大きな打撃を受けたという。ラオックスの広報宣伝担当の上層部によると、「一番よく売れる商品が10万円くらいする炊飯器や他の家電製品から(価格の安い)日用品へと移りつつある」という。参考消息網が伝えた。 

共同通信社の今月7日付報道によると、ラオックスは日本の直営店の数を増やしており、今年3月には名古屋市で初の直営店をオープンさせたばかりだ。だが今年上半期の売上高は350億円に減少して前年同期比22%の減少となり、純利益も前年同期の46億円黒字から4億6400万円の赤字に転落した。 

報道によると、観光産業隆盛の主な受益者の一つである日本の大手デパートも、こうした変化による打撃を受けている。 

2015年に日本を訪れた外国人観光客はのべ1974万人に達し、過去最高を記録した。推計によると、外国人観光客の日本国内での消費額が過去最高の3兆4800億元に達したという。今年も観光客数は力強い動きをみせ、7月には過去最高ののべ230万人を記録したが、前年同期比の伸びは6月の23.9%から19.7%に低下した。 

報道によると、中国からは最も多くの観光客が日本を訪れており、7月は同26.8%増加したが、昨年の月ごとの増加率はもっと高く45.4〜167.1%だった。 

他の国からの観光客に比べ、中国人観光客は日本での消費額が最も多い。日本製品は質が高く、信頼できると考えているからだ。だが今年4〜6月の消費額は同22.9%減少した。 

報道によると、観光産業の伸びは鈍化したが、中国人消費者は通信販売で日本製品を買うことにより熱心になり、中国最大のEC企業アリババ(阿里巴巴)集団などの企業が消費者に日本製品を購入する通販プラットフォームを提供している。6月に発表されたEC市場の報告書をみると、日本の経済産業省は2019年には中国人消費者の日本製品購入額は2兆3400億円に増加するとみており、これは15年のほぼ3倍だ。 

同省の指摘によると、中国には世界最大の企業・個人間(B2C)EC市場があり、所得の増加やネットワークの一層の普及を背景に、中国の通販利用者は今までにも増して活発に買い物するようになっているという。 

報道をみると、中国人観光客の日本での買い物という消費モデルと同じく、海外通販も為替レート変動の影響を受ける。最近は円高の進行が人々の買い物の意欲を大きく損なっているが、通販では航空券やホテルといった旅行・移動に関わる費用の影響がないため、中国の通販利用者は通販により多くの資金を回すようになっているという。 

花王のような日本企業はチャンスをつかまえつつある。花王は日用化学品のメーカーで、赤ちゃん用紙オムツ、スキンケア製品、洗剤などの各ブランドを有する。昨年はアリババ系列の天猫国際(Tmallグローバル)のショッピングサイトに店舗を開設し、日本から中国人消費者に向けて製品を販売するようになった。 

日本の交通運輸企業も流れに乗っている。日本通運は8月初旬に、アリババと提携し、天猫国際で製品を販売する企業に宅配サービスを提供することを明らかにした。 

日本の宅配企業最大手のヤマトホールディングスは、4月に中国の通販プラットフォーム・京東商城と提携し、中国人消費者が京東で買った日本製品をより迅速に買い手の元へ届けるようにした。ネット店舗では送料の割引サービスもうち出す。これまで京東に出店する個人店舗はそれぞれに配送の手続きをしなければならなかった。 

今年7月末には、日本最大の航空会社・全日空の親会社のANAホールディングスが、「通販システムの開発運営企業ACDと提携して、9月から通販企業向けサービスをうち出し、商品を迅速に消費者の手元に届けられるようにする」ことを明らかにした。 

報道によると、こうした日本企業が懸念する問題の一つは、最近になって中国税関が通関規定の変更をうち出したことだ。今年4月には北京市が新しい申告システムを導入し、個人が手荷物として中国国内に持ち込む製品に対する輸入関税の管理を厳しくした。 

日本の交通運輸企業の上層部は、「たびたび変更される中国の規定への対応の準備がしっかりできていないと、サービスを提供することができなくなる」と話す。