無料相談受付中

百聞は一見…通報には「写メ」添付を 「初動対応に役立つ」山梨県警期待

 県警が110番の通報者に対し、事件や事故の現場の様子を携帯電話やスマートフォンのカメラで撮影し、県警の「メール110番」に添付して送付するよう呼びかけている。県警は「状況の早期把握に役立てたい」(通信指令課)としている。

 「メール110番」は、主に耳や言葉が不自由で、電話のやり取りが難しい人たちのための緊急通報システムだ。

 「110@yamanashi-phq.jp」のアドレスに、場所や状況などを書き込んでメールを送信すると、県警本部の通信指令室に設置されたパソコンで受信。通常の110番と同じように、警察官が駆けつける仕組みだ。

 県警はこれまでも、監禁など犯人に知られずに被害者が通報したい事案で活用できるように、健常者にも「メール110番」の存在をPRしてきた。

 今回は、これをさらに応用し、通常の事件や事故の状況把握に“写メ”を活用していくことになった。ただ、県警によると、まだ写真添付のメールを受けた実例はないという。

 実際には、いきなり写真を送信するのではなく、110番通報を受けた警察官が、通報者の身の安全や画像の必要性の有無などを判断し要請するとみられる。

 県警地域課の白倉正樹次席は「火災や交通事故などの際に、被害の規模が画像で即座に把握できれば、出動の態勢を決めるなど初動対応に大きく役立つ」と期待をかける。

 通報者にとっても、緊張や興奮のため、電話で適切に説明できなかった状況を写真で伝えるなどのメリットがありそうだ。

 県警が発表した平成28年上半期の「110番受理状況」によると、総受理件数は3万1099件(前年同期比586件増)で、1日平均170・9件(同2・3件増)だった。

 県警はメール110番のほか、電話詐欺を狙う「アポ電」を受けたときの積極的な通報や、緊急性を有しない困りごとや相談ごとに応じる「♯9110」番の利用も呼びかけている。