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富士山周辺サイバー防犯 進む無線LAN整備、個人情報守れ

 富士山でのインターネット接続環境の安全を守れ―。静岡、山梨両県警と両県は富士山周辺の公衆無線LANサービス「Wi―Fi(ワイファイ)」のサイバーセキュリティー推進会議を設立し、25日、山梨県富士河口湖町で初会合を開いた。訪日外国人にも好評のWi-Fi。だが、事業者によりセキュリティー対策にばらつきがあるといい、安全確保が緊急課題として浮上している。

 富士山では主に外国人登山者の要望を受け両県と民間業者が2013年にプロジェクトを発足し、無料Wi―Fiサービスを山頂などに導入。富士宮口の登山道にある山小屋は今年からWi-Fiスポットを新設した。

 静岡県警によると、安全対策が不十分だとネット通信を通じて盗み取られた個人情報が悪用される恐れもあるという。利用者が身に覚えのない犯罪に巻き込まれるのを防ごうと協議の場を新設した。

 会合では、データ送受信の際に内容の特定を防ぐための「暗号化」がされていないサービスもあることから、「各事業者を通じて個人情報の入力を控えるよう利用者に呼び掛ける」などの対策について話し合った。

 静岡県観光政策課の担当者は「これからはWi―Fiを設置する各事業者のセキュリティー状況の把握が課題。警察からの情報を事業者にも提供し、意識の共有を図りたい」と説明する。

 静岡県警によると、現時点で富士山のWi―Fiに関する具体的なトラブルはないという。サイバー犯罪対策課の幹部は「東京五輪やラグビーW杯を控え、観光客も増えている。利便性とセキュリティーをバランス良く両立させることが必要」と話した。