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山梨中銀「外国語サポート」、県内4大学に連携拡大

 増え続ける外国人観光客に英語でおもてなしを発揮してもらおうと、山梨中央銀行は昨年末、県立大の学生を取引先の店舗などに派遣し、接客に便利な英会話を無料で教える“外国語サポート”を始めたが、今月から連携先の大学を3校増やし、取り組みを拡大した。新たに加わったのは、山梨大、山梨学院大、山梨英和大。このうち、山梨英和大は中国語でのサポートも行う。

 大学生による英会話サポートは、要望のあった飲食店や小売店に、4、5人の学生でつくるチームが訪問し、1回30分間の授業を5回行う。これまで、県立大の学生が甲府駅北口のドライフルーツ専門店「樹の実」(甲府市丸の内)と、そばの「奥藤本店」(同)で実施した。業種ごとに接客に必要な会話の内容は異なるため、チームは店舗に合わせたテキストを作成し、講習に臨む。

 山梨中銀は先月下旬、連携する大学が増えるのに合わせて、小売り、飲食店に加えて、ホテル・旅館、運輸業者など幅広い業種の取引先に活用を呼びかけた。

 新たに参加した山梨学院大のチームは9日、サポート先の洋食レストラン「ボンマルシェ」(同市中央)を訪問し、テキストづくりに着手した。

 同店のソムリエでもある吉田真弓専務は、「外国人来店客の比率は10%ぐらいですが、現状のカタコトの会話力だと、従業員も緊張してしまって、スムーズで安心した接客ができない」とサービスを依頼した事情を話す。

 英会話サポートは「東京五輪・パラリンピックに向けて県内の外国人観光客が増加する。コミュニケーション力の向上が必要だ」という進藤中頭取の提案を元に、同銀と県、県立大が昨年、構想をまとめた。

 県によると、昨年度の外国人宿泊者数は延べ131万3千人で、3年前の同48万3千人から2・7倍強に急増している。