2016年6月4日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルよると、中国による世界的なM&A(企業の買収・合併)が活発だ。5月時点ですでに2015年の海外企業買収数を上回り、世界最大の企業買収国になっている。交渉中の案件の数も過去最多だという。
参考消息網が伝えたもので、中国は大部分の買収計画を成功させており、15年以降で50件の買収が成立し、19件で交渉を継続しており、撤退した案件は5件にとどまる。世界的な影響力を増すことを望む中国政府にとって、企業買収の失敗は具合の悪いことだ。
だが失敗例もある。管理上の問題から、半導体チップメーカーの買収で少なくとも1件は失敗しており、現在は、スイスの農業バイオ大手・シンジェンタの買収が過去最大の案件としてその動向が注目されている。
医療分野での買収も、技術や専門的知識の需要から中国にとって重要で、米重機メーカー・テレックス買収のような案件も、過剰となった国内の生産能力を海外へ移すという点でやはり重要だ。