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山梨県立中央病院でがん手術支援ロボット導入 手ぶれ防ぎ精度向上

 県立中央病院(甲府市富士見)は今月、腹腔鏡手術で医師の“手”となる米国製で最新鋭の手術支援ロボット「ダビンチXiシステム」を保険適用できる前立腺がん手術に導入。報道陣に2日、公開した。腹腔鏡手術は、開腹手術に比べ出血量が少ないことなどが利点とされるが、ロボット導入で出血量を10分の1に減らせるほか、手ぶれ防止機能や3D立体画像により、手術の精度を上げられるという。来年以降、腎臓がんなどにも利用を広げる。

 手術中、医師は手術台から数メートルの場所で操作装置を動かし、自分の手の代わりに、手術台の上で稼働する4本のロボットアームに取り付けられた鉗子、内視鏡、電気メスを操る。アームは人の関節のように折り曲げが自在な構造で、患者の胸部から腹部まで対応できる。

 ダビンチについて、担当する泌尿器科の横山仁・副部長は、「手術精度の向上、出血量の低減のほか、入院日数も4日程度短い10日未満にできるため患者負担が軽くなる」と意義を説明する。

 同病院によると、平成27年に前立腺がんと診断した患者数は約70人で、実際に開腹手術を受けたのは約10人。横山副部長は「がん患者全員が手術するわけではないが、最近はロボット支援ができる病院を指名して入院する患者もいる」と話す。

 ダビンチXiの導入費用は約3億5千万円。このほか手術ごとに交換品の費用が約20万円かかるという。前モデルの「Si」はアームの太さが「Xi」の2倍強もあり、手術支援できる部位が限定されていた。「Xi」は国内ですでに、26台が稼働しているが、甲信越3県では今回が初めての導入となった。