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中国のGDP、近く米国抜き「世界一」に躍り出る=16年の成長率は米国の3倍―OECD事務総長

2016年4月11日、経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長は、日本記者クラブで記者会見した。中国の国内総生産(GDP)について、「現在世界2位だが、(物価の格差を調整した)購買力平価ベースGDPでは既に1位。実質GDPでも近い将来1位になる見通しだ」と語った。 

OECDの予測によると、中国の16年のGDP成長率は6.5%。グリア事務総長は「減速したと言っても、日本の8倍、欧州の5倍、米国の3倍もの高さだ。中国には様々な課題があるが、(米国を)追い抜くことになる。輸出や投資中心から消費、サービス主体に移行している」と語った。 

一方、OECDは、日本のGDP成長率について、16年に0.8%、17年に0.6%にとどまると予測した。グリア事務総長は、日本政府が17年4月に予定している消費税の10%への引き上げについて「信頼性の問題でもあり、重要な約束である」と述べ、予定通り引き上げるべきだとの考えを示した。グリア総長は、OECD加盟国の付加価値税の平均税率は20%と指摘した上で、「日本は15%までは緩やかに引き上げる余地がある」と述べた。 

また同総長は、タックスヘイブン(租税回避地)に関する「パナマ文書」問題について、「(発覚により)透明性に向かう動きが強まる」と強調。パナマ政府が、OECDが推進する租税回避防止策に協力していくと表明したとし、OECDでも近く対策会議を開く方針を明らかにした。