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都心部の不動産で“ミニバブル” 強気の坪単価600万円台でも完売

 都心部の新築マンションへの投資が過熱気味だ。富裕層や外国人の積極投資で、適正な分譲価格より5割以上も高くなるような不動産取引が行われるなど「ミニバブル」の様相を呈している。東京建物が2017年12月の完成に向け、東京・目黒駅前で開発を進めているタワー型分譲マンション「ブリリアタワーズ目黒」。駅周辺にはマンション用適地が乏しいため希少性が高く、7月から開始した第1期販売では3.3平方メートル(坪)平均単価が600万円台という強気の価格が設定された。

 それにもかかわらず、会社役員や経営者、医師といった富裕層が殺到し完売した。業界内では「もっと強気の700万円台でも同様の売れ行きを示していたはず」との声すら上がる。青山や六本木でもミニバブルのような動きが加速。年内販売予定のある物件はバブル崩壊後で初めて「坪単価が1000万円を超えるのでは」といった見方が出ている。

 東京23区内ではブランド街だけでなく、一般的なエリアでも勢いが増している。「今後、似たような土地が売り出された場合、高価格で落とさざるを得ない」。不動産大手の担当者が思わずため息をつくような土地取引の舞台となったのは江東区。本来ならマンション分譲単価が坪230万円程度で済む土地だが、かつての目黒区や中央区の高級物件に匹敵する360万円程度で売り出さなければ利益を確保できない水準だった。

 企業業績の好転でリストラに伴う土地放出が激減、デベロッパー(不動産開発会社)間の取得競争が激化。建築コストも依然高水準なため、「平時には理解できないような取引」(デベロッパー担当者)につながっているという。

 一方、相続税対策の一環としてワンルームマンション取引も活発だ。投資の主役はアベノミクスによる株高でもうけた個人投資家たちだ。だが株式市場が不安定になれば、投資活動を控える可能性がある。ミニバブル化する都心部の地価動向には不透明要因が山積している。