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WTO、デジタル製品201項目の関税撤廃へ ITA参加国合意

世界貿易機関(WTO)の情報技術協定(ITA)に参加する各国は、デジタル製品201項目について3年以内に輸出入の関税を撤廃することで合意した。WTOにとって18年間で最大規模の関税減免協議の合意となる。識者は「中国の携帯、コンピュータ、通信設備、ソフト業界にとって追い風になる」と歓迎している。7月27日、人民日報海外版が伝えた。

ITAはデジタル製品の関税撤廃をめざして1997年に発効した。現在、世界のIT製品の貿易額は4兆ドルにのぼり、WTOは新協定の発効後、関税を免除されるIT製品の貿易額が年に1兆ドル増えるとコメントしている。

世界最大の情報技術製品の輸出国の一つである中国にとっても、新協定の意義は大きい。米シンクタンクは、新協定によって中国のIT製品が減免される関税額は80億ドルに達し、輸出額を年間120億ドル増やせると予測している。

専門家は、新協定によって中国の消費者が従来より低価格で海外の電子製品を購入できるだけでなく、中国のIT製品輸出にもプラスになるとみている。

国家発展改革委員会対外経済研究所国際合作室の張建平主任は「携帯、コンピュータ、通信設備、ソフト業界は競争力向上につながる」と述べる。一方で別の識者は「中国の情報技術製品は中低価格品に集中し、先進国とはなお差がある」と指摘。張建平主任も「液晶パネル、半導体、医療設備など技術密集型産業は国際先端水準にまだ追いついていない。これらの関税がゼロになれば、中国企業は大きな圧力を受けるだろう。中国企業はイノベーションを進める必要がある」と強調した。