無料相談受付中

子育て支援に経験生かす 山梨県政初の女性副知事・新井氏が登庁

 後藤斎知事は21日、県政史上初の女性副知事として新井ゆたか氏(52)を県庁に迎え、辞令を交付した。新井氏は直前まで水産庁漁政課長を務め、結婚して子育てと仕事を両立させていることから、後藤知事は少子化や子育てに関する分野での行政手腕に期待感を示し、農林水産行政の専門家でもあることから、農商工連携による地域産業振興、雇用対策を任せる。新井氏は辞令交付に「身が引き締まる思い。全力を尽くしたい」と抱負を語った。

                  ◇

 県庁知事室で行われた辞令交付式で、後藤知事は新井副知事に「県政最重要課題の人口減少対策を担当していただくが、少子化や子育て分野だけでなく、雇用の拡大、活力ある地域づくり、教育に関する分野を所管する部局をみていただく」と副知事業務について話した。新井副知事が農商工連携に精通していることから、森林環境、観光、農政各部の幅広い業務についても担当を依頼し、「女性の視点を取り入れた新しい発想でキャリアを最大限生かして、私を支えていただきたい」と加えた。

 新井副知事は副知事室で報道陣の質問に答え、県政史上初の女性副知事について「男女共同参画の中で豊かに暮らすことが求められ、時間をやりくりしながら仕事と子育てを両立させている人は多く、頑張っている人(女性)が報われるようにしたい。私の少ない経験を生かしたい」と謙虚に語った。

 人口減少問題では「日本全体の行く末を左右する問題」と位置付け、業務に関しては「イメージで物事は語れない。子育て中の人や、多くの人から話を聞き、課題を整理して方向性を探りたい」と話し、慎重に課題と向かい合う姿勢を示した。山梨県の印象については「富士五湖や小淵沢方面に旅行できたことがある。空気が澄んでいて、人々が温かい。こうしたことも(県外の人に)伝えられたらいい」と話し、広告塔の役目も果たす考えだ。

 新井副知事は長野県出身。東大を卒業後、農林水産省入りして、林野庁森林総合利用・山村振興室長、農水省食品産業企画課長、産業連携課長などを務めてきた。

                   ◇

 同日の新井副知事就任によって、県職員から登用した山下誠氏との初の副知事2人体制。新井副知事が人口減少対策、子育て支援、地域産業振興・雇用対策などを担当し、山下副知事はリニア交通局、総務部、エネルギー局、県土整備部、産業労働部などの事務を担当する。後藤知事は2人の副知事の業務の専門化で効率性を高める考え。