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中国の牛乳輸入量が大幅減、世界の牛乳市場に崩壊危機 中産階級が牛乳を敬遠―英メディア

参考消息は17日、中国が牛乳の輸入を大幅に減らし続けていることで、世界で牛乳の供給過剰が発生しているとする英紙ザ・タイムズ電子版の15日付報道を伝えた。

ギリシャ債務問題、中国の株価暴落に続く、「第3の問題」が世界の市場で起きている。それは、世界で最も歴史が古く、そして重要な市場の1つである牛乳市場の崩壊危機だ。

先日、英国内の大手スーパー・セインズベリーが一部牛乳製品の価格を引き下げた。これは単にスーパーによる乳製品値下げという問題ではない。中国が大幅に牛乳の輸入を減らし続けていることで、牛乳が世界的に値崩れを起こしているのだ。

2週間前には1トン当たり2276米ドル(約28万300円)という、この6年で最安値を記録した。国連食糧農業機関(FAO)は、乳製品の価格下落が「すでに世界の食品価格指数を2009年の金融危機期間中の水準にまで引き下げた」としている。

さらに深層の原因もある。乳牛の数が多すぎるのだ。2000年以降で乳牛の数は25%増加し、2億7000万頭になった。最も増えたのは中国で約3倍の1450万頭にまでなった。そして、この15年間で牛乳や乳製品の生産量も33%増えたのだ。

一方、牛乳の消費を巡る状況が厳しいという現実がある。欧米では盛んに乳製品が食べられているが、このような食習慣が肥満や心臓病、糖尿病を誘発することが指摘されている。中国では90%の人が乳糖を受け付けない体質であるほか、近年は品質問題も発生。中産階級を中心に牛乳が敬遠されている。

専門家によると、世界の乳製品市場の需給バランスがとれ、価格が安定するのは早くとも今年末になるという。