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高値安定続く人民元 輸出にマイナスも国際化を評価

通貨安が進むユーロ、日本円とは対照的に、人民元は安定している。識者は「人民元高は輸出には不利だが、国際化の面で言えばプラスだ」と指摘している。7月14日、新華網が伝えた。

人民元は米ドルに対し、第1四半期は下落したものの、第2四半期に入って落ち着きを取り戻した。同期の変動幅はわずか0.49%だった。

米ドル以外の通貨に対して、人民元は第1四半期は基本的に上昇した。1年前に100円=6元だった日本円は、今は4.9元となった。ただし第2四半期に入って米ドルが若干弱含む中、人民元の対ユーロ、日本円、英ポンドレートも上昇幅が縮小している。

注目に値するのは、中国人民銀行が金融緩和を続けても、人民元が下落しない点だ。なぜ人民元はこんなに安定しているのだろうか。スタンダードチャータード銀行財富管理部の梁大偉董事総経理は「国際通貨基金(IMF)は人民元を特別引出権(SDR)の通貨バスケットに採用するプロセスを進めていることなど、人民元の国際化が加速していることが為替の安定につながっている」と指摘した。

税関によると今年前半、中国の輸出入額は前年同期比6.9%減の11兆5300億元だった。輸出はわずか同0.9%増の6兆5700億元だった。招商証券研究発展中心マクロ研究主管の謝亜軒氏は「人民元高の輸出への影響が鮮明となっている。日本やユーロなど通貨が下落している国は輸出が増えている」と述べた。

一方で、多くの中国人が欧州や日本に旅行に出かけている。日本旅行から戻ってきた女性は「中国では3100元のサングラスが、日本だと元換算で1340元で買える」と語った。  

今年後半について、識者たちは「人民元は安定基調ではあるが、変動幅は拡大する」と口をそろえる。

復旦大学金融研究院常務副院長の陳学彬氏は「米が利上げを行えば、人民元に対しては下落の圧力となる。しかし中国経済が安定していれば、大きな変化はないだろう」と述べた。