後藤斎知事は6日記者会見して、6月に示した県政運営の基本指針となる「山梨県総合計画」(暫定計画)の事業推進で「実行部隊の強化が必要になった」として、対応人事を発表した。主要課題の人口減少対策では全庁的推進体制を強化するため、教育委員会を含む庁内12部局に、新たな管理職「政策企画監」各1人を配置するほか、県内企業の海外展開支援や農産物輸出対策で「国際総合戦略担当理事」を知事政策局に配置する。人事は来週13日付で発令することにして、6日内示した。
◇
政策企画監には職員12人中8人を昇任させ、配置する。後藤知事は水産庁から新井ゆたか氏を初の女性副知事として迎え、人口減少対策を強化する考え。政策企画監は人口問題に総合対応する新井氏をサポートし、庁内部局を横断して県民、企業、市町村などの対外窓口となり、庁内調整を一元的に担当する。後藤知事は「政策企画監には新鮮な発想で業務を進めることを期待している。管理職最年少となる47歳の職員を含め、可能な限り若手を起用した」と説明した。県庁で47歳の管理職起用は23年ぶり。政策企画監には課長補佐を兼務させ、部局内の職員定数は増加しない。
国際総合戦略担当理事は産業労働部、観光部、農政部が所管する国際関係業務を総合的、戦略的に統括する。具体的には県内企業の海外展開支援、農産物輸出対策のほか海外からの観光客誘致など。同理事には財団法人自治体国際化協会パリ事務所に2年間、海外勤務の経験がある市川満富士山保全・安全対策担当理事を起用する。富士山対策担当理事は兼務する。
また、後藤知事は2020年東京五輪関連をはじめ、さまざまなスポーツキャンプの積極誘致や受け入れ体制を整えることで地域活性化につなげるスポーツ誘致担当理事を教育委員会内に配置する。同理事は観光部東京五輪担当、塚原稔次長が兼務し、観光部と教育委員会との連携強化も図る。
このほか、知事政策局の政策主幹を1人増員、8人体制へ拡充する。増員する政策主幹は財務省から本県に新たに出向する職員を充てる。企業局と東京電力との人事交流も実施する。東京電力社員を受け入れ、企業局長下の地域エネルギー推進監として配置。新たなエネルギービジョンの策定や企業向け電力供給施策担当となる。