中国メディアの経済参考報は25日、JR東海が2015年4月に山梨リニア実験線で実施した有人走行試験で世界最高速度となる時速603キロメートルを記録したことについて、「日本がリニアモーターカーの輸出を推進する見込みだ」と警戒感を示した。
記事は、JR東海の有人走行試験で世界最高速度を記録したことに対し、「世界中の注目を集めた」と伝え、日本は世界最速で走行が可能なリニアモーターカーの技術をすでに掌握したと指摘し、リニア中央新幹線の建設もすでに始まっていることを紹介した。
続けて、日本側の視点として「リニアモーターカーは現時点で他国に対する技術優位にある存在であり、輸出に成功すれば日本は世界の高速鉄道市場で大きなシェアを獲得できる」と伝え、日本が米国などでリニアモーターカーの売り込みを展開していることを伝えた。
さらに、世界の市場に大きな影響力を持つ米国へのリニアモーターカー輸出に日本が成功すれば「日本のリニア輸出に対して無限の商機をもたらすことになる」と伝え、日本政府が推進するインフラシステム輸出戦略も大きく加速するだろうと指摘した。
また記事は、日本が米国のワシントンDCとボストンを結ぶ約730キロメートルの北東回廊へのリニア導入を働きかけていると伝え、米国の負担を軽減すべく、日本は技術の無償提供や資金の低利融資も行う方針を示していることを指摘した。
一方で、日本のリニアモーターカーは建造費など投資額が莫大であるうえに建設期間も長すぎると指摘しつつも、高速鉄道市場で競合関係にある中国としては、リニアモーターカーの高い技術力や低利融資などの魅力的な条件で米国に売り込んでいることは看過できないこととして警戒感を示している。