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バフェット氏の質素過ぎる生活 資産9兆円でも、自宅は60年前のまま 給料据え置き、コーラ大好き

 投資家のウォーレン・バフェット氏は、世界的な大富豪として知られています。ところが、その生活は質素そのものです。60年前に買った自宅に今も住み続け、コーラが大好き。5月にあった株主総会には、アイスキャンディーをほおばりながら登場するという親しみやすい人柄なのです。

世界長者番付で3位

 2015年版フォーブス世界長者番付では3位になったバフェット氏。総資産は9兆円と言われています。

 11歳で初めて株に投資。公益企業シティーズサービス3株を1株38ドルで買い、40ドルで売却した利益を妹と分けました。しかしその後、同株式は200ドルまで上昇し、幼いバフェット氏は、「優良安定銘柄は長期保有する」ことを学びました。これは、今、「投資の神様」といわれる彼の1番目の鉄則になっています。

今も生まれ故郷で生活

 今も、生まれ故郷の米中西部ネブラスカ州オマハで暮らしています。5月にあった、バフェット氏が最高経営責任者を務める投資会社「バークシャー・ハサウェイ」の株主総会では、人口43万人の町に、4万人超の株主が世界中から集まりました。

 バフェット氏は、複雑な運用手法を使いこなすのではなく、企業の本質的な価値を見極め、割安株に長期集中投資します。そして、投資先企業が成長する限りは持ち続けます。
 
 「事業の内容を自分が理解できない会社には投資しない」が原則で、アップルやグーグルなどは「すばらしい企業」としながらも投資の対象としていません。1990年代のIT企業への投資ブームには距離を置き、ITバブル崩壊で投資眼の確かさが注目されました。

給与は年10万ドルで据え置き

 飾らない人柄も、人気の秘密です。60年近く前に約3万ドルで買った自宅にいまも住みます。バークシャーから受け取る給与は年10万ドル(約1250万円)で長年据え置いています。

 ハンバーガーや甘い菓子、炭酸飲料が大好きで、株主総会にはアイスキャンディーをほおばりながら登場。「摂取カロリーの4分の1はコカ・コーラ」と冗談も。

4兆円を寄付

 2006年には、約370億ドル(当時のレートで約4兆3千億円)分の株式の大半を、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長夫妻が設立、運営する「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」に寄付しました。

 資産家の子どもが相続によって生まれながら裕福となる仕組みには批判的です。当時のブッシュ政権が掲げる遺産税廃止など相続負担の軽減の動きに対しては、米メディア上で「(相続は)2020年の五輪代表選手を、2000年の五輪金メダリストの子どもから選ぶようなものだ」と訴えました。

智恵や経験、受け継ぐのは不可能

 バフェット氏は今年で85歳になります。後継者問題が市場の関心事になっています。幹部2人が候補に挙がっていますが、「バフェット氏の頭に蓄積された知恵や経験を誰かが受け継ぐのは不可能だ」(アナリスト)との指摘も。

 多くの「バフェット本」を記したロバート・P・マイルズ氏は「巨大な優良企業を次々と買収しない限り、劇的な成果は求めにくい」と話します。バフェット後は企業として「円熟期」に入るという見方もあります。