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中国、輸出減に歯止め 輸入は下落続く

中国税関総署が公表した5月の中国輸出入総額は前年同期比9.7%減の1兆9700億元だった。そのうち輸出は同2.8%減の1兆1700億元で、減少幅は4月から3.4ポイント縮小した。6月8日、中国新聞網が伝えた。

一方で輸入は同18.1%減少し、貿易黒字は3668億元と65%拡大した。

HSBC大中華区チーフエコノミストの屈宏斌氏は、「数値は事前予想を上回っている。対米輸出の回復が主因だろう。ただ、外需は回復しているとは言えず、元高もあって先行きは楽観視できない」と指摘した。

輸出先行指数も3カ月連続下落しており、圧力の大きさをうかがわせる。今年に入って、輸入鉄鋼砂、原油、すすの平均価格は4割前後下落した。

JPモルガン・チェースアジア太平洋区副主席の李晶氏は「石油など大衆商品の輸入価格が昨年より大幅に下がっており、貿易黒字の拡大を招いている」と分析する。

このような状況のもと、政府が提唱する「一帯一路」構想への期待が高まっており、李晶氏は「この10年で、一帯一路領域内の国家との貿易額は年に19%ペースで伸びている。今後5年間に、中国の輸入額は10兆ドル、対外投資は5000億ドル、海外旅行者数はのべ5億人になるだろう。中国と一帯一路周辺国家が恩恵を受けるのは疑いがなく、今年後半のけん引力にもなるだろう」と強調した。