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保険料収入逆転 明暗分けた銀行窓販、日生は危機感あらわ

 日本生命保険が戦後初めて保険料等収入で第一生命保険に業界首位の座を奪われた。本業のもうけを示す基礎利益は圧倒したが、日本生命の児島一裕取締役は28日の決算発表の記者会見で「保険料等収入が長期で負け続ければ、規模などにも影響する」と危機感をあらわにした。

 首位交代は、銀行窓口経由の保険商品の販売量の差だ。銀行は低金利下で定期預金よりも利率の高い、貯蓄性がある一時払い保険商品の販売を強化。手数料収入を稼ぐ姿勢を打ち出す。

 こうした状況を踏まえ、第一生命は、子会社「第一フロンティア生命保険」を通じ、リスク度合いを選べる外貨建ての一時払い年金保険を提案。日本生命が扱っていない、高い利回りが期待できる豪ドル建ての販売が爆発的に伸びた。

 一方の日本生命は、相続税改正への対策として銀行窓販で、リスクを抑えた円建ての一時払い保険を売り出し販売を伸ばしたが、前年比の伸び率は第一生命に比べ見劣りした。

 この結果、第一生命の銀行窓販は保険料等収入の3割以上に拡大し、対照的に日本生命の銀行窓販は1割と大きく差がついた。

 日本生命は首位奪還への巻き返し策として、7月に豪ドル建ての一時払い終身保険の発売に乗り出す。今後、銀行窓販の新商品を素早く展開できるよう、専門の子会社を設立する検討に入った。国内外で保険会社のM&A(合併・買収)に1兆5千億円の資金を投じるなど、あくまでも「国内ナンバーワンにこだわる」(児島取締役)方針だ。

 対する第一生命は「(首位に)一喜一憂しない。お客さまの支持が集まった結果だが、保険料等収入はブレも大きい」(川島貴志取締役)と気を引き締めている。