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高所得高齢者に負担増を 歳出削減へ年金減額・後発薬の利用拡大

 ■諮問会議で民間議員が提言

 政府は19日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、財政健全化計画に向けた歳入・歳出改革について議論した。民間議員からは収入が多い高齢者の資産・相続課税の強化や基礎年金の減額、新薬より安価なジェネリック医薬品(後発薬)の利用拡大などが提言された。

 諮問会議での議論は、政府が6月末にもまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に反映される見通し。だが、年金の減額などは高齢者からの反発も予測され、実現のハードルは高い。

 民間議員は提言で、75歳以上の後期高齢者の医療費に関し、一定の年収や資産のある人は窓口負担を増やすべきだと指摘。所得の多い高齢者について、基礎年金(満額で月約6万5千円)のうち税金で賄われている半額相当を支給停止にすることも求めた。

 歳出改革では、医療費削減として後発薬の利用率の目標(平成29年度末)を6割から8~9割に引き上げることや、医薬品の公定価格である薬価について、原則2年に1回のペースで行われている改定を毎年行うことも提案した。

 また、民間資金の活用による社会資本整備(PFI)の導入推進に向け、人口20万人以上の自治体に対してはPFIを原則導入するとした。

 安倍首相は「歳出抑制を実現するため、公的部門の産業化を進める必要がある」と述べた。

 教育関連では、教員不足への対応策としてITを活用した遠隔授業の実施や、国立大学の運営費交付金の重点配分による大学・学部の統廃合を進める。

 歳入面では、格差是正のために資産・相続課税の見直しを図るとともに、子育て支援として寄付促進も盛り込んだ。