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高収入の高齢者対象に課税強化 経済財政諮問会議、民間議員から提案

 政府は19日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、財政健全化計画に向けた歳入・歳出改革について議論した。民間議員からは収入が多い高齢者の資産・相続課税の強化や基礎年金の減額、新薬より安価な後発医薬品(ジェネリック)の利用拡大などが提案された。

 6月末にまとめる政府の経済財政運営の指針「骨太方針」に議論の結果を反映させたい構えだが、年金の減額などについては、高齢者からの強い反発も予想される。

 民間議員による提案は、収入が多い高齢者を対象に、基礎年金(満額で月約6万5000円)のうち税金で負担している半額分を支給停止するよう求めるなど大胆な歳出削減に切り込んだのが特徴。また、子や孫世代との格差是正のために、資産・相続課税の見直しを図るとともに、子育て支援として寄付促進も盛り込んだ。

 その他の歳出抑制策としては、後発医薬品の利用率の目標(2017年度末)を、従来の6割から8、9割に引き上げて医療費を一層削減することや、医薬品の公定価格である薬価について、原則、2年に1回のペースで行われている改定を毎年行うことも提案された。

 また、民間資金の活用による社会資本整備(PFI)の導入推進に向け、人口20万人以上の自治体に対してはPFIを原則的に導入するよう求めた。教育関連では教員不足への対応策としてITを活用した遠隔授業の実施や国立大学の運営費交付金の重点配分による大学・学部の統廃合を進める。

 会議で安倍晋三首相は「歳出抑制を実現するため、公的部門の産業化を進める必要がある」と述べた。