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山梨百名山の難易度格付け 県HP レベルに合った安全な登山を

 「山梨百名山」の各登山コース(計123ルート)に体力度、登山技術の難易度を示し、登山者が自分のレベルに合った山を選ぶ「山梨 山のグレーディング(格付け)」(日本語と英語)が県のホームページ(HP)で15日、公開が始まった。

 登山ブームの中、体力低下を意識しない中高年や山の怖さを知らない初心者が険しい山に登り、遭難事故を起こすケースが多い。県では「登山ルートの難易度を把握し、安全、安心な登山をしてほしい」と、グレーディングの活用を呼びかけている。

 グレーディングは縦軸に10段階で体力度を示し、横軸にはA~Eの5段階で難易度を表している。登りたい山を一覧表から見つけ、体力度、難易度を確認することができる。例えば、大菩薩・道志山域の笹子雁(がん)ケ腹摺(はらすり)山は体力度1、難易度A。八ケ岳・秩父山域の雲取山は体力度3、難易度B。富士山は5合目から登る場合は体力度5、難易度Bで、麓からでは体力度が1ランクアップして6となっている。「体力度4以上」は「1泊以上が適当」としている。

 一覧表では数値が高いほど体力が必要であることを分かりやすく示した「ルート定数」が示されている。ルート定数はコースの所要時間、ルート全長、累積登り標高差、累積下り標高差を加味した。さらにグレーディングでは各ルートとも無雪期、天候良好を前提条件で設定しており、積雪期は対象外。

 「山のグレーディング」については、北アルプスで初心者の遭難が増加し、長野県が先行作成に着手した経過がある。昨年5月に開かれた中央日本4県サミット(山梨、新潟、長野、静岡)で、共通して作成することを決めた。このため各県共通基準を設け、体力度はコース所要時間、標高差などをベースにソフトを使い算定し、難易度は山岳連盟、地元市町村に意見照会して決定した。特に富士山に関しては山梨、静岡両県警と協議して、「富士山の難易度は登山道開通期間(7月1日~9月中旬)」とするなどの注記を記載した。

 「山梨 山のグレーディング」は県HPのほか、やまなし観光推進機構が県内の道の駅などで配布している「山梨百名山手帳」に各山の格付けを加筆して、8月中に改訂版を発行する計画。県では活用について、山岳雑誌や山岳連盟などの協力を得てPRすることにしている。