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太陽光発電向けのシリコンウエハ加工のオプト(山梨県)、自己破産申請へ

 (株)オプト(TDB企業コード:280165112、資本金9000万円、山梨県笛吹市御坂町金川原831-1、登記面=山梨県都留市玉川642、代表田原守紀氏、従業員130名)と、関係会社の(株)笛吹(TDB企業コード:280308091、資本金9470万1200円、山梨県笛吹市境川町大坪630、代表田原勝代氏、従業員50名)は、4月30日付けで事業を停止し、事後処理を山形康郎弁護士(大阪府大阪市中央区北浜2-5-23、弁護士法人関西法律特許事務所、電話06-6231-3210)ほか3名に一任し、自己破産申請の準備に入った。

 (株)オプトは、水晶ブランク製造を目的に1988年(昭和63年)9月に設立。2003年5月に都留市玉川にシリコン加工工場を新設し、太陽光パネルに利用するシリコンウエハ加工を主力事業としていた。2005年3月に笛吹市御坂町下黒駒の工場を買収、2006年8月にも笛吹市御坂町金川原の工場を買収するなど生産規模を相次いで増強し、ヨーロッパ各国で再生エネルギーの固定買取制度が導入されたことを背景に、ピークとなった2008年8月期には、年売上高約342億1200万円を計上していた。

 しかし、こうした太陽光パネルの需要増加に呼応して、海外企業が相次いで生産規模を拡大したため競争が激化し、受注単価は年々下落を余儀なくされていた。また、この間の2010年2月には、法人税法違反(脱税)の罪で当社役員などが逮捕され、実刑判決を受ける問題も発生し、2014年8月期の年売上高は約15億6800万円にまで縮小していた。最近では、スマートフォンに使用されるガラス部品の加工を請け負うなどで業況改善を目指していたが、回復の見込みが立たないことから今回の事態となった。

 (株)笛吹は、2005年(平成17年)6月の設立。(株)オプトが使用したクーラントオイル・シリコンインゴット端材の再生・販売を行っていたが、(株)オプトに連鎖した。

 負債は(株)オプトが約65億円(うち金融債務約56億円)、(株)笛吹が約40億円(同約26億円)で、2社合計約105億円。