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中部横断道"越境管轄" 山梨県警が要請 県警、対応検討

 2017年度に静岡市清水区から山梨県の中央自動車道までの区間が全面開通予定の中部横断自動車道について、山梨県警が、両県境から山梨県南部町の富沢IC(インターチェンジ)までの区間の管轄を静岡県警に要請していることが、23日までの関係者への取材で分かった。県警の管轄は県境で区切ることが原則で、県境を越えた管轄を求める申し入れは異例。静岡県警は対応方針を検討している。
 関係者によると、山梨県警側は両県の県境から富沢ICまでの約9キロの区間を静岡県警で管轄するよう求めてきた。同時に交換条件として、東富士五湖道路の両県境から小山町の須走ICまでの約3キロの区間を山梨県警が管轄すると提案しているという。
 山梨県警は中部横断自動車道を管轄する高速隊分駐隊を山梨県富士川町の増穂ICに設置する方針。増穂ICから富沢ICまで(約37キロ)と比べ、静岡県警の高速隊分駐隊拠点の新東名新静岡ICから富沢ICまで(約30キロ)の方が距離が近いことや、静岡県警の方が組織規模が大きいことなどから、県境をまたいだ管轄を求めてきたとみられる。
 県内の高速道路などの幹線道路は現在、全て県境が県警管轄の境界線となっている。山梨県警の要請をめぐっては、自動車専用の高規格幹線道路における県境を越えた連携、協力関係が必要との考えの一方、新たに見込まれるシステム改修のコストや、地検、地裁管轄や報道体制の違い、積雪への対応などを懸念し「原則を守るべき」と指摘する声もある。