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【山梨県議選】27議席、43人の争い

 統一地方選の前半戦となる県議選が3日、告示され、全17選挙区(定数38)に54人が立候補した。笛吹市、甲州市、西八代郡、南巨摩郡、中巨摩郡、南都留郡の6選挙区は立候補者数が定数と同じで11人が無投票当選した。甲府市、富士吉田市など11選挙区では43人が27議席を目指し、12日の投開票に向けて9日間の選挙戦に突入した。

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 今回の県議選は、安倍晋三政権の「地方創生」に対する地方の向き合い方が大きな争点となっている。また、民主党出身の後藤斎氏の知事就任後で初の実施となり、選挙結果は県政運営に影響を与えるとみられることから、議会内勢力図の行方も焦点となりそうだ。

 立候補者54人の内訳は現職31人、新人23人。党派別では自民14人、民主と維新、公明が各1人、共産4人=いずれも公認、無所属33人。無所属のうち、政党(県組織を含む)推薦は自民5人、民主7人、公明1人、社民1人(民主と重複)。男女別では男性52人、女性2人となっている。

 無投票当選の11人は、いずれも現職。このうち、笛吹市(定数3)では自民の前島茂松氏が自身の持つ県議選最多当選記録を11回に更新した。甲州市(同2)は3人の出馬が見込まれたが、新人が立候補を見送り無投票となった。

 選挙戦となった11選挙区では、自民、民主、維新、公明、共産の国政与野党5党の公認・推薦を含めた候補者11人が9議席を争う甲府市や、3議席を現職2人と新人4人の計6人で争う甲斐市などで激戦が展開されそうだ。

 ◆県選管委員長「郷土の発展方向付ける」

 県選挙管理委員会の成沢秀仁委員長は3日、県議選の告示にあたって談話を発表した。

 成沢委員長は「今回の選挙は、地方を活性化させる『地方創生』の在り方が議論される中で、これからの郷土の発展を方向付ける極めて重大な意義を持っています。県民一人一人が、地方自治の重要性を認識し、候補者の主義・主張を十分に見極め、情実でなく、利害でなく、自由な意思で投票することを期待します」と有権者に呼びかけた。

 ◆主な政党のコメント

 県議選の告示に合わせ、主な政党の県組織がコメントを発表した。

 自民党県連 自民党は、景気の好循環を地方に拡大させるため、「地方こそ、成長の主役。」を掲げ、地方の元気なくしてアベノミクスの成功はないとの基本姿勢で臨んでいる。地方創生の推進による県の活性化、経済再生による地方経済の振興、安心で活力と魅力ある県土基盤づくりの実現に邁進(まいしん)する。

 民主党県連 わが党は「生活起点」「地域起点」を掲げ、「地域」の再生を出発点として山梨の活性化を図っていく。それによって、日本を元気にしていく。安倍政権の進める政策は「上から目線」「中央主導」による予算ばらまきであるが、「地域のことは地域で決める政治」で地域の活力を引き出していく。

 維新の党県総支部 党が結成して初の統一地方選。「身を切る改革、実のある改革」が求められるのは地方行政も変わらない。「議員の定数削減、報酬削減」や「政務活動費のネット公開」など政治・行財政改革を訴え、「暮らし・生活優先の山梨づくり」「自然エネルギー山梨」を掲げ、初議席を目指す。

 公明党県本部 人口減少や超高齢社会という困難な課題に直面する現在、地域の底力を引き出す地方創生をどう描いていくか、力量が問われる重要な選挙。わが党は「支え合い、一人を大切にする社会の実現」を重点政策に掲げている。党の生命線「小さな声も政治に届けるネットワーク力」を最大限に訴える。

 共産党県委員会 安倍政権は5月にも集団的自衛権行使容認の閣議決定を具体化する法案を国会に出そうとしている。「戦争する国づくりストップ、憲法9条を守り抜く」を訴える。重度障害者医療費の窓口無料を廃止した自民、民主、公明など「相乗り」県議会を変えるため、共産党を伸ばしてくださいと訴える。

 社民党県連 県民生活を守るためには、大型公共事業優先の県政から社会保障優先の県政への転換が問われている。特に重度心身障害者窓口無料制度の復活や、高すぎる国保保険料の引き下げも課題。北富士演習場の「全面返還・平和利用」を具体的に進めることも重要だ。推薦候補とともに訴え、実現を図る。