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国産ワイン初の産地認定「山梨」 表参道でPR「知名度高め世界へ」

 山梨県ワイン酒造協同組合は、有料試飲イベント「山梨ワインフェスタ2015」を東京都内で初めて開催した。国内のワイン産地で初めて認められた地理的表示「山梨」の知名度を高め、山梨県産ワインのブランド力向上と消費拡大を目指すのが狙い。トークショーに登場した世界的ソムリエの田崎真也氏は「地理的表示『山梨』は、輸出の際に品質を保証する裏付けとなる。認知度を日本で高めることが世界へ広めることにつながる」とPRに一役買った。

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 イベントは、東京メトロ表参道駅近くの「BA-TSU ART GALLERY(バツアートギャラリー)」(東京都渋谷区)で21、22の両日に開催された。県内のワイナリー10社が参加し、厳しい基準を満たしてラベルに地理的表示「山梨」と記されたワイン計約40銘柄を出品。2日間で約630人が訪れ、試飲で気に入った銘柄を買い求めるなど盛況となった。

 会場では参加ワイナリーのプレゼンテーションや専門家によるトークショーも行われた。国際ソムリエ協会会長を務める田崎氏は「山梨のワインと和食」と題したワークショップの中で、「ユネスコ無形文化遺産の和食がどんどん輸出されるようになっている」と指摘。「和食にワインを合わせる提案が海外から逆輸入されるのではないか。その前に、甲州ワインが和食と相性の良いことを国内外に情報発信することが大切だ」と語った。

 地理的表示「山梨」が認められたことにより、欧州連合(EU)では産地表示のある格が上のワインとして扱われることが可能となったほか、国内でも高品質ワインとしてブランド力の向上につながることが期待されている。ただ、平成25年7月の指定から2年近くたつものの、同組合の木田茂樹理事長(ルミエール社長)は「国内でさえ広く知られているとは言い難い。ワインの一大消費地である都内で、しかも流行の発信地である表参道でのPRが有効だと考えた」と開催の理由を説明する。

 初のイベントを終えた木田理事長は「山梨県産ワインを飲んだことのない人が多くいることを改めて知った。東京五輪の開催やリニア中央新幹線の開通を控えており、参加ワイナリーを増やして定期的にイベントを開くことで国内外へのアピールを強めたい」と語っている。