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インドネシアのワイン輸入会社が山梨県内視察 評価は「ワールドクラス」

 インドネシア最大手のワイン輸入会社、ジャッディ・インターナショナル社のダニ・ワナンディ氏ら3人のオーナーと同社マネジャーの計5人が来日して、2日から3泊4日の日程で県内のワイナリーを視察している。商談を前提とした視察だが、納得した製品を選ぶ根拠に、ブドウ畑や製造工程の管理手法を確認する徹底ぶり。オーナーの一人は「ワールドクラスのワインができている」と評価し、新たな県産ワイン市場として今後の商談の成り行きが注目される。

 山梨県では東南アジアからの訪日誘客を促進している。特に経済発展が著しいインドネシアを重点市場に位置づけ、観光のほか地場産品の販路拡大を狙っている。県産ワインについては平成25年秋に当時の横内正明知事が同国でワインプロモーションを展開して関係者らに売り込んだ経緯がある。今回、ジャッディ社側から訪問要望があり、県が一行を招請した。

 ジャッディ社は同国内では数少ない酒類輸入免許を持ち、ジャカルタとバリにワイン専門店計5店舗を展開。日本酒専門店も経営し、ワインはフランス産や南米産を主に扱っている。関係者によると、同国の人口2億4千万人のうち戒律によって9割の人が酒をタブーとしているが、経済発展に伴いワイン消費が伸びる傾向にあるという。

 一行は山梨県入りした2日に甲州市の勝沼醸造、中央葡萄(ぶどう)酒を視察し、3日には甲州市の原茂ワイン、笛吹市のルミエール、甲斐市のサントリー登美の丘ワイナリーに立ち寄った。それぞれのワイナリーオーナーらに原料ブドウの栽培手法や原料特性を聞き取ったり醸造工程を念入りにチェックしたりして、品質の根拠を調べていた。

 ワインについてインドネシアでは国の登録品種のみ販売が許され、登録には半年間から1年間かかるとされている。このため、今回の一行の視察では品質の優れたワインの選択が主な業務。3日昼前までに4社のワイナリーを視察して、ワインの試飲を重ねた。ルミエールでは同社の木田茂樹社長からワイン特性について熱心に聞き取りをしたあと、「甲州」種を使ったスパークリングワインを試飲したダニ氏が「細かな泡立ちがいい。おいしい」と率直な感想を話していた。またオーナーの一人、レイマー・シモランギル氏は「甲州ワインは日本食に合うというが自国の食事にも合う。甲州種でもそれぞれのワイナリーに特徴があり、ワールドクラスのワインに仕上がっている」と評価した。