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「デフレ、過度に恐れる必要ない」 中国識者 金融緩和の必要性強調

消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の低迷が続き、中国経済のデフレ懸念が高まっているが、専門家は「現在の経済情勢を客観視すべきで、リスクを過大視してはだめだ。インフラ建設投資や内需の喚起、適度な金融緩和などでデフレは回避できる」と指摘している。2月16日、人民日報海外版が伝えた。

1月のCPIは前年同月比0.8%しか上昇せず、PPIは同4.3%下降した。どちらもこの5年で最低の水準。1月の貿易統計も輸入の減少で、貿易黒字は87.5%拡大し3669億元となった。

みずほ証券アジアのチーフエコノミスト沈建光氏は「中国内需は弱含みが続き、米ドルの独歩高で大衆商品の輸入は低迷している。また、生産設備過剰問題は改善しておらず、中国経済がデフレに突入するリスクを否定できない」と語った。

デフレは物価下落が3~6か月続くことが前提条件となっており、中国は現在CPIがプラスを維持していることから、デフレに入ったとは言えない。国家情報中心経済予測部マクロ経済研究室主任の牛犁氏は「狭義のデフレとは物価の持続的な下落が消費不振につながり、経済成長を阻害することだ。現在の物価下落は原油価格に関連するものや、コストの低下に帰するものが多く、庶民の消費低迷が理由というわけではない」と分析した。中国国際経済交流中心情報部の徐洪才部長も「1月のCPIの不振は暖冬で野菜の供給が増えたことや春節の影響、豚肉価格の下落が影響しており、2月は上昇に転じるとみている。基本的には上昇の方向に変わりない」と述べた。

政府も春節の資金がひっ迫する時期に合わせて預金準備率を0.5ポイント引き下げるなど、中小企業の経営を支援する対応を取っている。

もちろん、PPIのマイナス基調は無視することはできず、デフレリスクは依然として存在している。徐洪才部長は「PPIの下落の背景には国際大衆商品の下落が国内原材料工業品価格の下落を招いていることや、電子商取引の急成長で商品の流通コストが下がり、価格下落につながっていること、さらに供給の過剰、内需の不足がある」と語り、「前者二つは悪いことではないが、後者二つには対応が必要だ」と強調した。

徐洪才部長は「内需不足には金融緩和による対策が必須だ。今年はもう一度預金準備率の引き下げが必要だろう。利下げや融資コストの引き下げもするべきだ」と提案した。