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「静岡県、直ちに影響なし」 長野・神城断層調査

 静岡大防災総合センターの狩野謙一特任教授は3日までに、長野県北部で最大震度6弱を記録した地震の被災地で、地表に現れた断層を調査した。震源になった神城断層は、新潟県から本県まで続くとされる活断層帯「糸魚川―静岡構造線」の一部。狩野特任教授は、神城断層と本県付近の断層ではずれ動く方向が異なり、「本県に直ちに影響を及ぼすことはない」との見方を示している。
 狩野特任教授は地震発生4日後の11月26日から長野県白馬村で、道路や畑、空き地などの地表に生じた高さ数十センチ~1メートルの断層を追い、南北方向に連なり、東側の地盤が隆起していることを確認した。「マグニチュード(M)6・7の地震は地表に断層が現れるか微妙な規模だが、思ったよりも明瞭だった」と話す。
 神城断層は糸魚川―静岡構造線の北部に位置する。政府の地震調査委員会は1996年時点で、構造線北部は東側の地盤が西側に対してせり上がる逆断層と推定した。今回の地震でもそれが証明された。一方で調査委は、構造線の南部では、西側が隆起する逆断層を推定している。
 本県まで続くとみられる構造線の南部は、山梨県の甲府盆地付近まで位置が確認されているが、本県部分は特定されていない。ただ、構造線と距離的に近い富士川河口断層帯は西側が隆起していることが分かっている。
 連続する構造線の北部と南部で、なぜ断層が異なる方向にずれ動くのかは解明されていない。狩野特任教授は「恐らく形成された時代も過程も違う。北部と南部では加わっている力も異なる」と推測する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141204-00000008-at_s-l22